営業部の眞田です。
4月に入り、上旬は寒暖の差が激しい日々が続きましたが、
お陰で例年よりも桜を長く楽しむことが出来、
家族で散歩に出かける機会が増えました。
春の季節を迎え、新入社員の方々のフレッシュな服装を
街で見かけることが多くなりましたが、
カグヤでも、初心を忘れることなく新たな一年を過ごすためにも
先日、新宿せいが保育園の園長先生である藤森先生をお呼びして研修を行いました。
藤森先生との研修に向けて、各クルーが自分自身が
今抱える悩みに対する根源的な問題点・課題などを明確にし、
時間が許す限りそれぞれが質問をさせていただければと考え、
研修に臨むこととなりました。
しかし、大きく私の予想を反した出来事がありました。
それは何かというと、、、
質問を前にして「私の頭の容量がパンクしかけたことです」
質問をさせていただく前にカグヤクルーそれぞれから自己紹介をさせていただき、
その後、藤森先生より基調講演を頂いたのですが、その内容が余りにも濃密で、
問題意識が自然と釣りあげられ、常に120パーセントの集中力で聞いてしまうこととなり、
基調講演を終えた時には、全身に汗が滴り、喉はカラカラで、
脳みそは空転してるかのように熱くなり、
体が知恵熱を持ったかのようにフラつくほどでした。
藤森先生の人生観や、ビジョンに触れることで自分自身では
見る事の出来ない目線での世界を見ることができ、
保育が世の中を変えていくという道筋を想像できたことに感嘆の連続でした。
また、藤森先生のお話の中で
「人類が誕生してから今まで、一度も途切れずに
続いてきたのは、それが自然の理と合っていたからではないだろうか」
というお話がありました。
たったこの50年で、地球環境は壊滅的に変化し続けていることを思うと、
人類は【自然界】から乖離し、【不自然界】を繰り広げているように私も感じています。
自然と共にあった時には、当たり前に持っていた能力が、
不自然な社会により様々な能力が失われてしまっているように感じます。
人を敬う能力
隣人を愛する能力
集団で協力するという能力
自立
自律
洞察力
共存する能力
自然界の中ではこれらの能力を発揮しなければ生きていけない環境であり、
人類は今まで何の問題もなく自然界で生きてこられたことを考えると、
【元々その能力を持っていた】からではないかと藤森先生のお話をお聞きして深く共感いたしました。
しかし、この不自然な時代、
これらの能力を使わずとも生きていくことは出来るようになりました。
便利さがそれを可能にしたわけですが、その大きな弊害として
「使わない能力は競合する能力に書き換えられてしまう」事態が起きているのだと
藤森先生のお話の中から学びました。
例えば、複数の赤ちゃんが母乳を飲むとき、赤ちゃんの
①「体重を一定量増やすことが目的」であれば
→それぞれの赤ちゃんは飲む量は違いますが体重の増える量は同じだそうです。
②「ミルクを一定量飲ませることが目的」であれば
→それぞれの赤ちゃんは飲む量は同じですが、体重の増える量は違うそうです。
①の場合は赤ちゃんは自分の体重を増加させるために飲む量を調節する能力を発揮しますが、
②の場合は大人が与える量を飲みきる能力を発揮させるため、
競合する「飲む量を調節する能力」は不必要となり失われてしまうそうです。
そう考えた時、私たちのこの便利すぎる社会は、本来私たちが自然共に生き、
人間が人間として持っていた能力を使わずして生きることが可能となっていることに気づかされました。
そして、本来の能力を無くしてしまっているのだと思います。
藤森先生は今生きていく中で大切な能力を
「問題解決能力とコミュニケーション能力」
だとお話されていたのですが、
まさに、今の社会では問題解決なくとも国や親や誰かに依存し
生きることが出来得る社会であるようにも思います。
また、助け合うことも不必要となりコミュニケーションが
稀薄になりつつあるようにも思います。
こうして、本来必要である能力を自分たち自らで失わせながら
私たちは自然に生きたいと願い、楽しんで生きたいと願い、
子どもたちにはより良い環境を用意したいと願う矛盾を抱えていることに
気付かされたように思います。
自然に楽しく生きたければ、自然から学ぶこと。
自然は過度に与えてくれませんし、過度に関わってくることもありません。
しかし、人類の血が途切れることが無くこの長い年月を生まれ
変わってくることが出来ている事実を改めて振り返れば
自然は私たち人類が持っている能力にちょうど良く働きかける環境である。
ということが言えるように思います。
これを思う時、私自身、改めて子どもに対する教育というものを考えさせられました。
便利さや、大人の都合で子どもに不自然さを与えていないだろうか。
教えなければ、教えなければという親の使命感という大人の都合を押しつけていないか。
育てなければ育てなければと、北風を旅人に吹き続けるようなことをしていないか。
旅人に太陽でありつづけることが旅人を気付かせることが出来たように
子どもに対しても、太陽で在りつづけたいと
心に誓わせていただく機会となった大変有り難い研修でした。
研修での気づきを書き記すにはあまりに一つの記事では足らないので、
また次回のブログにて自分自身の気づきを書き記すことが出来ればと思います。
オルタナティブコンサルタント
眞田 海