京都の鞍馬寺で私は「羅網」という仏具を拝見して貫主様から教えていただいたことがあります。その「羅網」こそ、私のブロックチェーンの哲学や思想の原点になり、この教えそのものを具現化して徳循環の社會を形成しようと志を持つに至りました。
その鞍馬の教えにはこう書かれています。
「「山川草木悉皆成仏」という教えにあるように、非生命から生命まで、森羅万象の全てが宇宙生命エネルギーである「尊天」の顕現です。鞍馬山一帯は、大自然の宝庫で、往古から社寺林として守り継がれ、「京に最も近く、最も深い自然」と称されてきました。人の手の加わらない鞍馬山の自然は、 動植物が網のように相互に関係しあって複雑な森林生態系を形成しており、鞍馬山ではその響きあいを「羅網」として表し、「共に生かされている命」を共感し、様々な命が支え合い響きあい、生かし合っていることに気づき、私たちの「いのち」が本来、光り輝く宝珠であることに目覚めて 欲しいと願っています。」
いのちの輝きが響き合う世界、自然界のありのままの原型を羅網は表現しています。そしてその環をこのように教え諭します。
「いのちの環」
「自然を敬い、自然に感謝し、自然と共に生き、
自然に教えを聞き、自然の中に自分と同じ命をみつける。
草木も鳥も虫も木も細菌も石も互いに捧げあい、
助け合いながら、互いにせっしゅし合い、
消滅しながら、共に生きるいのちの環
めぐる大自然の環の中に
わたしたちも生かされている。
大きな力、大きな働き
それは宇宙の大霊、尊天
すべてのいのちと共に
尊天のお働きによって
わたしたちは生かされている。」
私たちには、いのちというものが循環しその循環の恩恵によって生きていくことができます。私はこれを徳循環と呼びます。それぞれが恩徳に報いることで自然界は調和し、それぞれのいのちはその徳を伝導して共鳴し合い、響き合っていきます。
私たちの箱器(ブロック)の中に何を入れるか。その繋がっている鎖(チェイン)に何を通すか。まさにここが「いのちの輝きの元」になっているのです。
その箱器の鎖に、私は「徳」を入れてこそ人類は甦生し現在の自然から乖離した暮らしを取り戻してさらにいのちをもう一段次元を高めて輝かせることができるように思うのです。
私の取り組みにおいて、この鞍馬寺との出会いは大きなものです。
子どもたちが安心して居場所ができ、いのちが輝けるように現代社会に徳積で踏み込んでいきたいと思います。