故 森信三先生の言葉で特別に印象に残っているのが「人生二度なし」です。
そして特に私の座右にしているのが
「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える。
しかも一瞬早過ぎす、一瞬遅すぎない時に」
という人のご縁の不可思議さを深く洞察した言葉です。
一見偶然の出来事のように思いがちでも、その背後に、必然ともいえる天のはからい即ち天意ともいうべきものが、どう考えてみても働いているように思われるときがある。
今ある様々な縁も今ある私も実は何かしらの深い縁で繋がっていて、それをしっかり味わい噛みしめお互いに感謝していくということもこの一瞬に込められている気がする。
なかなかできないけれど、それが人の生の真の姿であるような気がする。
森信三先生当人がどのような時代に生き、どのような環境の中でこれらの邂逅に出会ったのかは私にはまったく分からない。しかし道を示してくださった先生の言葉を胸にその道を目指していくことはできる。
きっと森信三先生は「人生二度なし」という一言に、その生の全てが凝縮されていたのだろうと思う。
そして後進を歩む私はそこから学ぶ。
今、目の前にあるすべての出来事は絶対必然とし、絶対最善なのだ。
まずそれを貫き、やらないのに逃げることは「人生二度なし」とはありえない境地なのであろうと思う。
『今』という一瞬に、自己の命を吹き込む。
そう感じながら商売人としての私のご縁に向かいたいと思う。