情報バリアフリーという考え方がある。
今までは特殊な情報で一部しか知らなかったものが、一般の人でも安易に手に入れることができるのもその一つだ。
たとえば、医療情報で薬の情報などもインターネットで検索すれば効果・効能・副作用まで調べることができる。また掲示板などで、専門家からアドバイスや利用者の声なども閲覧することができる。
時代は今、「情報」をそれぞれがオープンに共有できる時代に入っているのだ。
園でも、親子でのコミュニケーションを大事にする。
園と家庭との情報共有が大事という。
もちろん、人と人が会うというコミュニケーションはニンゲン界においては当たり前以上に大切なことだ。
しかし、今はまさに情報バリアフリーの時代。
ホームページを使って、もっと多くの人たちに「知りたい」という情報を開示していかなければ地域や保護者からの信用はもらえないと私は思う。
なぜなら、先ほどの医療でもそうだが実際の患者の方とのやり取りは非常に密に丁寧に診察を通してコミュニケーションが進められる。そして診断結果や治療については、非常に公共性のある情報開示手法を用い分かりやすく誰にでも分かるように対応する。
この2つのバランスがあるからこそ、情報を通して信頼を勝ち取ることができる。
園だってまったく同じだと思う。
子ども一人ひとりの発達や保育など細かい気配りとコミュニケーションは保護者と行い、公共性のある情報はホームページなどで迅速に開示していく。
たとえば、ある園では専門性のある子どもの発達をカルテとして必ず保護者面談をひらき、対面での会話を丁寧に行っている。そして給食などの食育についてはその素材から作り方、食事の様子まで写真や詳細を日々ホームページなどで開示している。
保護者の立場にたてば分かるが、情報とは過不足なく用意されていなければ満足することはないからだ。それがあるからこそ、園からの言うことを聞くようになっていくのだと思う。まずは受容して相手のニーズを受け取らないとこちらの言い分を通そうとしても難しいのである。
よく園では、ホームページなどで情報の開示をやりましょうと言うと「昔ながらがなくなるから」とやらないという選択を行うところが多い、特に過疎や僻地などでその傾向が強いがそれは完全な間違いだと私は思う。
それは時間軸ですぐに分かるが単に、昔ながらのやり方が今の時代にあっていないだけということがほとんどなのだ。先日も書いたが、伝統は革新の集積なのだ。今の時代にあったやり方で昔ながらの本質をやり続ければ、ホームページを使わないという結論には至らないはずだし、そうであれば公共性のある情報開示がまた一部の人たちのものになり情報バリアフリーはずっと先のことになってしまう。それではますます昔ながらの大事なものがなくなってしまうかもしれない。討ち死にと格好つけても結果守れなければ悔しいだけだしその地域にとっても大きな損失になってしまう。
両者が揃ってこそ、情報リテラシーをマスターし本当の意味での情報バリアフリーを提供していることになるのだろう。
まとめると、園の情報リテラシーで必要なことは「対面コミュニケーション」と、「対外コミュニケーション」のバランスなのだと思う。
何らかの理由で片方だけに固執・執着しては必ず偏るものだ。
「偏る」と気付かせてくれるチャンスもたくさん得られるが、その分失敗だと勘違いする機会も増えるのできちんとした知識が必要だ。
だから地域や保護者、子どもの為に対面を密にしたいのならば、ホームページなどの対外をあわせてしっかりやっていくといい。振り子のようにやればやるほど情報はバランスを取ってくれる。時間もこなれるので短くなっていき、そして密度が増えるのでやり続ければ必ず効果はでる。
両方をバランスよく具備してこそ、この時代にあわせた「情報」を身にまとうという地域や未来からの信頼を得ることができるのだと私は思う。
「距離」の保ち方は、子どもたちとの関係だけではない。
距離は、色々なところにも存在しその距離感を持つことが園の情報リテラシーを知ることにも繋がっているのだ。