今日、ダイヤモンド社主催の「ハーバードビジネスレビュー創刊30周年記念エグゼクティブフォーラム」に参加してきた。
予てからどうしてもお会いしたかった人物がいたからだ。
INSEADボストンコンサルティンググループ・ブルース D.ヘンダーソン記念講座教授の「W.チャン.キム」氏だ。
世界中飛び回っており、日ごろは英国にいらっしゃるのでお会いできなかった。
その方が今回の30周年フォーラムにお越しになったのだ。
この方が書いた著書、「ブルーオーシャン戦略」に魅了されてからずっとお話しを伺ってみたいと念じていた。また一つ夢が叶った思いだ。
今もその熱意の篭った講演のお姿や雰囲気、人柄等の余韻が残り感動している。
また著書では分からなかったところがより深みをまして理解することができた。
『争いの中の血みどろの赤い海ではなく、争わない平和な青い海の創造。』
ブルーオーシャン戦略(出版社:ランダムハウス講談社)
特に印象に残ったのは、物事の見方についての価値基準の置き所についてだ。
物事は色々な見方があり、それを誰かが強烈に信じることである価値観が構築される。それを周辺が信じはじめ、ある価値基準が大衆の間で当然のように共有される。そしてそれが長い年月をかけて刷り込まれていく。しかし、それはその時代のものであって環境、人、時が変わればまた変わるものであるということ。しかしそれは次第に無意識に刷り込まれ、それがさも当然であるという概念から人は抜け出せなくなる。
そして気がつくとその中で、無益な争いの赤い海、レッドオーシャンになっていく。
その時に、どのような価値観のステージでどのポイントに物事の見方を再構築するか?そこが新しいものと古いものの融合、つまり大切な守るべきものと、時代とともに変えていくものの融和、つまり有益で争わない青い海、ブルーオーシャンにしていくかなければならない。
たとえばこれを弊社である「カグヤ」の実践に置き換えてみる。
私たちの会社がなぜ教育保育界ではあまり考えにくいことを「オモシロク」やろうとしているのか?
それも実は単純で、昔の答えが今の時代にあっていない気がしているからだ。
私は答えが時代にあわせて変わったということを証明したいのだと思う。
学校では1+1は2が正解というのは変わらない。
それを答えられれば先生から優秀だと褒められる。
しかし、時代と人と環境がかわり価値観が変われば2ではないかもしれない。
そんなことを言うと変人だと思われる。
学校の100点が本当の正解ではないという発想ですらも真剣に疑問に思う人があまりいない。
また障害者という概念でもそう。
メガネがない時代は、目が悪い人は障害者。
今は単に個性の一つで、メガネをかけている人。
テレビや芸能界ではそれをチャームポイントにして人気があるアイドルなどもいる。
ひょっとすると今障害といわれるものはすべて100年後はみんな当たり前か単なる個性になっているかもしれないというのに勝手な刷り込みで対応を間違えていないだろうか?
そう考えると如何にその時代の価値観がいい加減で普遍ではないかはすぐ分かる。
なのに勝手な刷り込みで、それを他人にまで押し付けるとはどういうことだろうかと思う。
可能性というのは、答えが先にあるものではないはずだろう。
可能性というのは、どのような答えか分からないから可能性ではないのか?
たとえば、師匠の「見守る保育」という概念で考えてみる。
今の時代、私は保育はもっともっと楽しいものでいいと思う。
だから保育が本当に楽しいものに創造し工夫していくのだ。
子どもの発達が見えて、その子が自立していく過程を専門性を持って距離を保ち理解して受容し、気づき喜びを実感しながら将来を一緒に期待していける。
よく導入していただいている先生からは保育がオモシロイと喜ばれる。
私はそんなことを先生から言われた時が一番嬉しいような気がしている。
そもそもこの保育が浸透できないのは、保育が大変だとか思っているからだろう。
なぜ「オモシロイ」ではいけないのか?
なぜ「ゆったり楽チン」ではいけないのか?
なぜ「やってあげるではなくみまもる」ではいけないのか?
何かに抵抗を感じるというのは、価値観が違うから。
しかしそれが本当に自分のものかどうか、一度確かめてみるといいと思う。
気がつくと、常識的にとか、、誰がとか、、普通は、、とかになることが多い。
これを分かってもらい変えていきたいと思っても多くの人に勘違いされることがある。
私の場合は、年齢や学歴など分かりやすいものがないことときっと陰徳が足りないのだろう・・
しかし、常住から師匠はしっかりと本質を捉えていると思う。
話していてもいつも「子どもの目線」からぶれることがない。
どこまで先を見通して個性を見取り受容しているのかと驚くばかりだ。
今日のハーバードMBAで世界のリーダーを育てる方々も世界で活躍するためのグローバル人材の育成手法はまるで「見守る保育」のやり方にとても似ている感じがした。
今は現代、家庭は裕福になり、子どもが減り、地域や環境が変わった。
もちろん、保護者や働く人たちの価値観も変わった。
みんな変わっているのに変わっていないのは変われないのは一体誰だろうか?
この幼児業界では、これからのグローバル社会に向けて避けては通れない必要な戦略が『ブルーオーシャン』だと私は信じている。
キム教授との出会いと邂逅で学んだこの種をもっと多くの日本の未来へ向けて蒔いていきたい。
まだまだ内容の濃いセミナーなのでこのブログで紹介します。