太古の時代から人間は多くの道具を開発し活かしてきた。
何かの目的を最短距離で達成するために道具は人間の大切なパートナーだ。
今はコンピューターが生まれ「道具」という概念が急速に進化している。
ここで私の専門であるITの活用について考えてみる。
この国では一般的にITのことをいまだに、効率化・合理化・コスト削減をするものだと思っている人が多い。私達が提供する見守るほいくソフトも同じようなものだと思われるので毎回毎回理解してもらうのが大変だ。
今では人間にしかできない叡智や工夫、直感や機微などを活かすためにもITやソフトはこの時代においては生きていくのに欠かせない大切なパートナーになっている。
全部は多いので書けないがその効果の一つに、人間の脳処理の部分の大部分をサポートする能力がある。それにより今まで人間が行っていた記憶という作業をコンピューターに任せることができる。これを行うことでその情報を組み合わせたり取り出したり、検証したり、、、あらゆる効果を組み合わせ使うことで人間の持つ際立った別の潜在能力が表出する。そして人間が人間らしく発揮されるという新たな可能性を大きく開いた。
このように記憶の道具一つをとってもそれを使ってどのような組み合わせで何をするかなどは人間でしか行うことができないという事実に焦点が絞り込まれてくる。そう考えれば分かると思うがITとは本来、人間をより人間らしくしていく進化を援助するパートナーになっているのだ。
具体的なたとえをまた一つ。
「記憶」を活かすという分野で顕著な能力をITが発揮するのは「データベース」という考え方がある。情報を集積し、一元化し、分析し、採掘など様々な用途に加工できる技術のことだ。
たとえば、人間はその膨大なデータの中からコンピューターを使って統計的な処理を行い、データ間の関連性を調べ、役立つ価値のある情報を選び出していく、そして次々に何が現場で欠けているかなどを導き出していったりすることができる。
データベースがあればこのようにマイニングの手法も広がる。
今までは当然と思われていた人間の「知覚や感覚」での情報を、データベース化により数値化し客観化して明瞭にしていくことは重要だ。
教育や保育の世界は、今まで人間の体験や経験だけに頼り数値化やデータ化をあまりやってこなかった。しかし、今のように社会が複雑に絡み合い、多様な価値観と急速な変化の中では本当にやっていることが今の時代の子ども達にあっているかどうか、それがどのような意味を持つのか、それを俗人的にばかりやってもいられない。
今こそ、このITを最大限活かし子ども達のために役立てるときではないかと私は思う。
世界のIT国家の発展は、リアル空間とネット空間のバランスと融合にこそあると私は思う。だからこそ、分からないからと難しいからとそこから逃げてはいけないのだと思う。そのためには、トップがそのITの効果をまず学び最大限使いこなすことが最も大事なことだと私は思う。
この保育や教育の業界でも、ちゃんと保育や教育が分かる人がITという道具の効果についてちゃんと熟知し、情報の在り方、活かし方、効果の検証などの研修を増やし正しい理解をしていくことをやるべきだと私は思う。
そして我々のようにITをやる会社の人間も、安易に「お客様」という名の分かっていない人のニーズばかりにあわせたり聴くだけになるのを止め、儲けよりもまず先に子ども達の未来を優先しちゃんと何に使え何ができるか、自分にしかできないことは何かを真摯に考え使い手と一緒になって開発し活かしていくことが重要なのだと思う。
きっと今の子ども達が大人になったときには、ITを理解し使いこなしている人が目標に最短距離で到達することができる無限の可能性を手に入れていると思う。
だからこそ将来の子ども達のためにも、今を生きる我々大人がITという事実を常識や一般の価値観に囚われずにパートナー=道具として真直ぐ正視して深く学び込んで欲しいと願う。