今日は富山県氷見市にある幼稚園保育園が総合的に融合しているこども園で保護者へ向けて講演を行った。
参加していただいたどの保護者も地域の方々も真剣な眼差しで私の話に耳を傾けてくれた。
一緒に子どもと関わる大人として価値観を共有できることは何物にも代え難いありがたい感謝の気持ちで一杯になる。
今回のご縁もまた、これからの子どもの世界を創り上げるための社業や命の糧にしていきたいと思いました。貴重な邂逅を本当にありがとうございました。
この園では、私が伺った中でも特に「本物へのこだわり」が光っている園だった。園長先生が、「与えるのならば最高のもの」を園の経営理念にし実践されているからだ。その自らの生き様というか、生き方、在り方を伝統や地域への愛情、そしてその深い信念に基づいた様々なモノやコトが「こだわり」というカタチになって全体を通して園の姿を外部へ伝えている感じがした。
いつの時代もそうだが、本当に伝えたいことがあれば遠慮なく徹底して「こだわる」べきだと思う。
そこに所謂お金という一方方向の唯物的モノサシではなく、概念的付加価値のモノサシの方を大事に守る、それこそが本来で言うところの『理念の体現』だと私は思う。
歴史的に観ても宗教も、哲学も、全てそういった人たちの「こだわり」でしか後世の子孫や未来へ向け大事なものを遺していくことができなかったからだ。
特に園長との一連のお話の中で感じたことがあったのでご紹介します。
前日入りしたので夕方から園内研修を行いその後、翌日講演が終わり東京へ戻るまで本当に温かく私をアテンドしていただきました。その間、氷見市の魅力について色々なお話をしていただきました。
どの話も氷見市を心から愛し、地域の人たちとともに生きている素晴らしさを感じる内容でした。そしてどの話もある軸から反れずに語っていたことがとても印象的でした。
「私はね、いつか子ども達がこの氷見に戻って来たいと思って欲しいのです」
この言葉に深い共感と自分の中にある何かとても懐かしいものを感じました。
私が思う「ふるさと」とは、決して生まれた場所だということではない。
またいつの日かここに戻ってきたいと思う人々の営みや文化や慣習、そこに根をはり心豊かに生きている人たちの命を愛するこころ、自立し飛び立つ子ども達が戻ってくることができるようにそのままに心の在るがままを残そうとする、そんな温かく優しい慈愛に満ちた生活こそが本当の「ふるさと」であると感じました。
心の中にある、変わらないもっとも大切な場所。
それが「ふるさと」なんだと。
そしてそれを持つ人たちを守ることこそ地域を大切にすることに繋がっているのだと。
以前、ブログで書いた「自分の根」。
根のないものには命はないのだと。
そのことを深く内省した2日間になりました。
子ども達が都市化して近代化したグローバル社会の中において、根っこを忘れずその命の輝きをより煌きに変える事ができるようにこの「ふるさと」を全世界の園と一緒に遺していきたいと心から誓った。
これからは、大事なモノやコトを守るためにデザインを融合しアートにするように色々なことを調整する力が生きるためには必要だと私は改めて思った。
本当に大切なものをこども達にきちんと伝えて遺していけるように、理念を具現化していくお手伝いをより真摯により覚悟を持って社業に変えいこうと思う。