何か大きな問題意識や危機感があれば常に遠くをみようとする。
そして身近な問題に囚われ、どうしても平常心を失ってしまうことが多い。
特に、責任者やリーダーと言われる会社のトップなどは常に遠くを見て今の状況を客観的に判断するのでどうしても話の内容が遠くのことばかりなることが多い。
しかし現場では、そうはいかない。
現場はすぐに起きる出来事で溢れているからだ。
しかし、それはよく考えてみるとずっと遠くにあったものが近づいてきただけでイキナリ身近になったのではない。
よく仕事をするときに、私は交通事故という言葉を使う。
先に物事をよく考察して先読みをしていないのに、過ぎてしまった出来事のときに対応しようとしてもそれはもうどうにもならないことだと定義しているのだ。そんなときは、交通事故と思って、誠心誠意対応することをモットーに指導をしている。
しかしよく全体と経過を見れば、決して交通事故が悪いと定義しているのではなく、それは通過するときのお互いの接し方で大事な出会いや邂逅になるときもあるからだ。それはそれで何があるか分からないから人生はとても面白いのだと思う。
遠くを見ようとするときに大事なのは問題意識と危機感の持続だと思う。
今、この時が勝負なのかそれとも数年後の何かの時が勝負なのかなどもそれはその人の問題意識の大きさや危機感の密度によるのだと思う。
見通そうとしても見えないのは、きっとその問題意識や危機感が足りないのだろう。そしてそれは、どれだけの志とプロとしての責任と自覚といったやはり自分へ向けた矢印の密度によるものだろうと思う。
以前、師匠からアドバイスをもらったことがある。
どうしても近いところばかり見ようとするから、船酔いするのだと。
そしてそんな時は、遠くを見るようにすればいいと。
そしてこれには後日続きがある。
遠くを語ると他人は何を言っているか分からない。
そんな時は、近くを語ってやり方を示せばいい。
この遠近の違いが今は私の最大の課題だ。
距離感というのはどんな人間関係の中でも存在する。
距離が離れるとは、物理的な距離ではなく感情が引き離すキョリだったりする。
だからこそ、多くの人たちと志を同じく子どもたちのために世の中を今よりもずっと良くしていこうと思うのならば私の話す言葉も見直していかないといけない。
もっと子どもの環境について、皆が分かるような話ができるようになりたい。
まだまだ、師匠の背中観て、わが身を振り返る日々新たな一日でいこうと誓う。