実践主義

先日、熊本の園にコンサルティングをしている園長を連れて訪問をした。

オトナでも子どもと同じように発達段階があって、その前後の課題と向き合っている方と出会うことで自分の現状が明確になる。

なぜ私たちが、園同士を繋ぎいろいろな協同的な学びを推し進めるかというとそういった異発達保育をすることが成長においてはもっとも主体的に学びあえ実践で伸びることができるからだ。

しかし、通常子どもだとすぐに馴染む異年齢保育も大人となるとそうはいかない。

大人は自分の置かれた立場や環境から色々な柵や刷り込みなどがあり、どうしても子どものように素直に学びあえないような心境になる場合が多い。

これも色々な執着が故に、囚われてしまうのだとしたら如何に志高く自分を律することができながら仁の心を持って人を治めることが大事なことだと改めて思う。

ただ今回の熊本訪問では、志高く子どもを思うことにかけて真摯に学んで自分を律して理想の実現に向けて日々努力精進している園との邂逅になった。

そして以前より、弊社のクルーから話を聴いていた園だったので是非一度お伺いしたいと予てから思っていた園を訪問できたことが何よりも大きなご縁になった。

その園長との話の中で非常に感銘を受ける言葉があった。

私も常々、実践のみが真実だと自律することで自立していく思想を尊び、師の後姿に従って道を歩むことを天道として、そこに今ある自分のあるがままに順じながら一歩一歩前進することを人道として戒めている。

この園長も同じく、日々の保育を通してそのような道を歩んでいた方でした。

話を伺うといろいろな艱難と出会いながらも、子どもから離れず自分の為すべきことを向き合い、そこから逃げずに向き合いながら数年以上かけて日々の生活を律して理想を実現しようとしている方で藤森先生を慕い見守る保育を実践しています。

そこへ伺ってとても共感したメモをここで紹介する。

・・・・・

自分が背伸びしてもできないものはできないと開き直った、そして人間学からはじめ学ぶことをはじめた。そして先輩から学んだ、すると先輩が掃除をしていた。それを真似しだした。ショールームを掃除することからはじめた。喜ばれることをすればいいんだということが分かった。

保育園でも同じようなことをやろうとした。
保育園では、子どものためにやることをした。

子どもの将来のことを考えて何ができるかどうかを考えた。

保護者のためにすることもできるし、子どものためにもできる。どちらが自分の方の理念に沿っているかを思うとき、便利な保育園ではなく、子ども達のための保育園にしようとした。理念を軸に作った。

小さい園では休憩する時間が少ない、だから工夫した。お茶を飲む時間をみんなで創ろうとした。行事などもあるけれど、ちょっとだけでも話をする時間をたくさん作った。粛々として進める会議は土曜日だけにした。

カタチの職員会議をしない。
本音が聞けるようにしていくように工夫している。困っていることとか汲んであげたいなと思う。目標に向かって一緒にやろうとした。

観えない努力があるから花が咲く、花のほうばかり見ていたら人は育たない。

(園長の一日の流れ)

朝来て、園内の様子を見て周る。
昼間はゆっくりしているように、意識して過ごしている。
その後、事務仕事をしてまわる。昼間はほとんど、仕事にならないので子どもなどの相手をしている。

最後までいて、最後に鍵を閉めて帰宅する。

その後、深夜2時頃おきて昼間できない業務をこなす。

・・・・・

まだまだ書き足りないが、私が園を廻る意味もそしてカグヤがこれからやろうとしている内容もこのメモで十分に説明ができていると思う。

まだ30代半ばの園長先生がこれからどのような園長になるのかを思うとき、本当に自分たちがまだまだやらないといけないことがたくさんあることを改めて知り、身が引き締まるとともに大きな希望をいただいた訪問になった。

掃除道の話も、命の食の話も、とても私の実生活に繋がっておりその深き哲学の醸成と脚下の実践に心から共感いたしました。

本当にありがとうございました。

師匠の実践をここで鑑みまた思う。

園長業とは誰でもできない本当に大変な仕事。

そして、子どもを見守ることで生き甲斐や遣り甲斐を感じることができるもっとも崇高でなくてはならない今の時代の大切な職業だと思う。

私たちカグヤはこの素晴らしい職業の傍で、援助やコンサルティングができることに改めて幸せであることを感じる。

それ故に此処で真に思うことがある。

だからこそこの仕事を本気でやろうとしている人に必要な支援や援助が今の世ではまだまだ足りていないしたくさんのことがまだやれていない。

巷では園の援助をする企業は、それなりに目に視得る場所を大事にする。

私たちだって、すべての園を毎日訪問して一緒に理想の実現のためにともに歩んで生きたい。

しかし、人間の能力には限りがあって思いがいくらあってもすべての園を同じように一斉にサービスを展開することは本質に近づけば近づくほど遠ざかってしまう。

だからこそ、本当に困っている園、本当に今私たちが必要な園にはどんなことがあっても伺うことができるようにしようと色々な正義と誠意と向き合い、内省により深く自分のできることを整理しながら創意工夫していく日々。

ただ、、まだまだ私たちに力が足りない。

そう痛烈に危機感を感じるとともに、今できること、やれることをとにかく一歩一歩やるしかないという正道を歩んでいくしかないと耐え忍び思う。

真に求められることに真に応えられるよう、理念を軸にこの会社を本質的に立派な存在にしていくことを私のミッションとして日々の仕事に向き合っていこうと改めて誓う。

子ども達にも、師の示すような仁の模範になる園長がたくさんいることを地域や社会を通して明確に正しく伝えていくために社業をもっと強めて力をつけていきたいと思う。