今日は、JASのイングリットさんがコンサルティングする学校へ同行してその実践現場を拝見させてもらった。
オランダでは、学校だけではなく企業や地元の研修施設も自由化されさまざまなカタチでの産学連携ができるようになっている。
この学校はあのアンネフランクが幼い時に通ったモンテッソーリスクールになる。(http://www.annefrank-montessori.nl/)オランダではかつてマリアモンテッソーリが住んでいたこともありモンテッソーリ教育は深く学校方針の中に浸透している。
ここでのイングリットさんの役割は、コーチングしている先生の個別の観察とミーティング、そして管理職の指導と全体会議などでの方向性のチェックなどになっている。日頃の判断や子どもへの対応が大人主導で大人主体の安直なマニュアル的な決議決定などにならないようにJASのコンサルタントがアドバイスをしたりマネージメントのモデルを示していくようなこともやっている。
印象的だったのは総合的学習をどう進めていくかについて、考え方が画一化しないように様々なイエナプランのツールなどを駆使してアドバイスをしていたところなどだった。
まだ日本では、コーチングなどというのは職人的なもので外見的な浅い分野でしかないのにオランダではより深いところのコーチングをできるようにシステムがとても理論的に構築されている。
それにこちらでは、多様性のある教育方針の中でも質を維持するというポリシーが国家に存在していて、モンテッソーリであろうが、ダルトンやフレネであろうが、それぞれの持っている良さを生かしながらそれぞれの専門家がチームを組んでより協働して質を高めていこうとするような文化がある。
寛容と自由の中に、本来人間が人間らしくみんなで助け合って生きていくという姿勢がその風土文化となって民主主義の利点を活かしさまざまなところへ反映されている。
オランダ人の人柄は一言でいえば国土と同じように大変「フラット」で、縦社会にはない横の文化がとても成熟しているように感じる。人間関係なども、お互いのことを「ストレート」に言葉にしてぶつかりながらもお互いを尊重し協働しながら進めていこうという粘り強い意志が個々人の性質にあるように感じた。
これは今の日本には体験できないことでそれを今回、自らの目と耳と肌で実際に感じたものが私にとっては大変参考になった。
これがこの先の日本や世界、人間の進む方向を見立てていくのに大事な邂逅になる。
お互いの国が抱えている問題とは、時差があったり場所が違うなどがあるけれど人間社会で抱える問題とはどれもほとんど同じものだ。
人間が生きるというのは、お互いのことをどれだけ必要として共に認めあう自立した関係を創っていくかというテーマからは逃げることはできないからだ。
今回の訪問ではそれぞれの国が本当に豊かに、世界の平和のために貢献していくために力を出し合い助け合うというのは21世紀には当然の課題になると確信することができた。
最後に、私がイエナプランにとても興味を抱いた中に「オープンモデル」という言葉がある。イエナプランはそのオープンモデルの理念を特に大事にしながら、実践と研修という繰り返す中庸の真理を通して本質を学ぶという方法を第一に取る。
そしてそのオープンモデルとは、グローバルな視野でより大きいものを含有しながらも自分という狭い範囲の自己満足だけにあまり執着せず世界の子どもたちの未来にともに手を携え自分勝手な執着を乗り越えて偉大に貢献していくということが大事なのだということを私は感じる。
これからカグヤもそして日本にいるパートナーも、それぞれの唯一無二のミッションをあわせて、お互いの目指す最良の人間が創るより素晴らしい社会の実現へ向けて偉大な理念設計をリーダシップを存分に発揮しながら組み立てていきたいと誓う。