昨日、カグヤのクルーとともにニューヨークのユニオン・スクウェア・ホスピタリティグループの創設者、ダニー・マイヤー氏の講演を拝聴してきた。
この方のレストランは、ニューヨークタイムスで三ツ星を獲得し、常にニューヨークZAGATサーベイの1位、2位を獲得しているほどになっている。
現在の私たちカグヤのクルーの研修のテーマは、ホスピタリティ(おもてなし)を学ぶこと。それは日本語でいえば、思いやりの精神を具体的な実践を通してその世界標準の理念の一端を定義し学び合うことにあった。
このダニー・マイヤー氏は27歳で開業してから現在もサービスだけでは得られない人間のおもてなし力(HQと定義)とその重要さに気づき、自らの人生の価値観に優先順位を決めて理念を固めて道を歩み社業を邁進している方だ。
本当に素敵な人柄が講演からも感じられ、終始心地よく学ぶことができました。
本当にこの奇跡的な一期一会の出会いにも心から感謝しています。
講演の中で大きく気づいたことがある。
今回定義されていたホスピタリティの本質は、「相手の立場」になってどれだけ共感できるかということ。これは、先日お話を伺った佐藤初女さんのなさっている実践でもあり、北川八郎先生が仰っている「饅頭を増やすよりも餡を増やせ」に共通するものがある。
おもてなしの心とは、相手の立場で幸せをともに感じ合いながら分かち合っていく豊かな思いやりの心なのだと私は思う。
そしてダニーマイヤー氏は、さらにそのHQ(ホスピタリティ感性)がある人には下記の条件が備わっていることだと仰っていた。
① 楽観的であること。
② 向上心があること。
③ 道徳的であること。
④ 共感力が高いこと。
⑤ 誠実であること。
⑥ 自律、自覚があること。
特に、⑤の誠実は正しいも選択ができるという、自分よりも他の幸せを優先できる力であり、⑥は自分の状態を把握して、平静を保つことができる力だと定義していたのが印象的だった。
私が現在、保育現場で研修をする際に、先生の資質としてどのようなものがあると環境を活かすことができるかと問うときに共通する理念がたくさんあったのも参考になった。
「環境を創る」というのは、その場を生み出す人間の力が実践を通して感化されていくものをいうと常々私は思う。どんなに外側の環境を磨いても、それを優先していては本末転倒すると思う。レストランやカフェであろうが、学校でも仕事場でもまずはそこに居るその人間の持つ「思いやり」のある環境であることを優先することが先決であり、それが根本になるから末節としての外側の環境が具現化して現れるだけであると私は思う。
自己肯定観を持ちあう人たちの場は、触れているだけで心地よいものだ。
見守るということもそうだけれど、まずは見守る人ありきだと思う。
さらに、参考になったのが如何に好循環を生み出せるかということで常に仕事を優先順位を決めて実行しているところにブレがないところだった。私もよく自分のバイオリズムや全体の調子の良しあしを循環の理に照らして考えることが多い。
常に負のサイクルも正のサイクルも、優先順位の入れ替わりや差し替えを迫られている時が多いからだ。そういう時は、先手をとって定期的に整理整頓をして掃除をするようにかたずけていけばいいけれど、つい油断すると流されて大掃除を迫られることになるから気をつけている。
確固たる優先順位は、多くの人たちを幸せにするものだな改めて気づく。
講演を拝聴後、いつものようにカグヤのクルーで反省会をした。
「カグヤでやっていることをそのまま聞けた感じだった」、「子ども第一主義の理念に改めて自信を持った」と言われたことが嬉しかった。みんな自分の実践を照らしていることが誇りに感じた。誰でも実践には嘘がなく、実践をしないとわかった気になるものだ。
実践を通して、これからもわかった気にならないようにホスピタリティの世界標準を目指す会社としてこれからも変化成長を楽しんでいきたいと思う。
来年、自分の目と耳と体験で得た気付きを持って、チーム愛(守りのチームクルー達)とニューヨークに行くことを誓い、子どもたちの未来に確かなホスピタリティを推譲できるようなビジョンを深めていきたいと誓う。