リーディングカンパニー

世界では、合理的に道理に叶いつつ、義理人情を重んじ、その矛盾を併せ持ちながら人々の繁栄と幸福を優先する企業がいつも最先端を走っている。

一見、無駄なく無理なく自然にやっていつつも、両輪では無駄もプロセスも大切な要素だとし世間では不自然で理解できないようなこともやっているのがリーディングカンパニーであると思う。

私たちの会社では、世間では当たり前の常識があまりなく世間の会社では安易に通り過ぎることもそう簡単には通り過ぎることができない。

それは子ども第一主義の理念を掲げているからでもある。

言い換えれば、この会社に在籍した以上、どんな理由があったにせよ必ず子ども第一主義のためならどんな遠道でも厭わないという私を含むそれぞれのクルーの覚悟であると思う。

時には、その事件に取り組む際に大変なストレスを感じることもあるけれどしかし最終的には社業を通じて子どもたちのために還元できる貴重な体験をさせていただけているのだから有難いことだと、その邂逅にいつも深い感謝が込み上げてくるから不思議といつまでも続けていけているのであろうと思う。

人間はすぐに臭いものには蓋をするではないけれど事件が起きたときにそれをすぐに処理して何事もなかったかのように振る舞いたがる人が多い。しかし、本当は事件はよくじっくりと観察してみるとそこが宝の山であり、それを真心を込めて真摯に力を合わせともに乗り越えていこうとすれば互いの将来に大いなる可能性と希望を切り開くものになる。

大切なことは、逃げようとせず倦まず諦めず根気強く心胆を定め最期まで遣り切ることであると思う。

それが我々ならば子ども達への誠意であるし、それが自分の子ども心を大切に守る事でもあるからだ。他人に真剣である人は、自分にも真剣であるし、そういう本気で生きている人は周囲へ偉大な本気の影響を与えていく人物になっていくもの。

必要な遠回りを勇気をもってできるというのは、心の強さの証であるのだ。

アメリカに、私が共感している最先端の会社がある。この会社の経営者や社風はカグヤの目指すものととても似ていて、多様な価値観で多様な人たちが生活を共にし、人生を分かち合って生きていくような組織がすでに形になってきている。

その代表のトニー・シェイが著書でこういうことを書いている。

「会社に強い結びつきを感じる社員はより生産性が高いという傾向には、多くの研究の裏付けがあります。社員の会社との結びつきを示す代表的指標は、その社員が社内にどれだけ友人がいるか、または社内に親友と呼べる人がいるかどうかです」

社内に尊敬する上司がいたり、社内に尊敬する友人がいること。または、どれだけ生涯の友人としても価値がある人物と認めているかというのは本当に重要なことであると私は思っている。私も会社にいるあるクルーたちが心底認め合っている姿を観ると、そこに結びつきの真の意味を感じることができる。

つい公私は分けてと浅い考えで人付き合いをするようだけれど本当の友人とは馴れ合いの関係ではなく、同じ道を歩む友とし丸ごとの個性や人格を認め尊重し、その人間の真の素晴らしさを理解しあっている無二の関係があることをいう。

仕事だからと割り切っていては、とても生活を共有しているとはいわない。仮面の関係では、真の意味でコミュニケーションをとることはできない。その人がどんな人間か、みんなのことを愛している人か、または仲間を心から信頼しているか、志を共に歩むことができる人かという風に、理念や信条を主軸にお互いがどういう結びつきをしているかによるものだ。

人が人を尊敬するのは、同じものを目指した時にその他人の真剣さや本気度を感じることで生まれてくるもの。

今いる場所で誠心誠意、自分の人格丸ごとで勝負する人は人としての魅力を醸し出すものだ。
そしてそこに自立や共生という真の意味が存在する。

この時代、表面上を取り繕いその場しのぎの関係でいいと勘違いしている人たちがとても増えている。しかし縁起を辿れば、いつかはその人との関係が子ども達へつながるしその影響が必ずまわりまわって自分に帰ってくるもの。

だからこそ、日々に真剣に生きることがライフワークだと公私を融合させる一円の関係が必要であるのだ。

私たちは、会社の理念が明確なのだからそもそもの天道地理義理人情すべてを一円融合しもっとも優先するものをその都度見極め、大切なものを守っていく強さを価値に変換していこうと思う。