子ども心の六つ目には、「ありがとう」と素直に感謝できる心がある。
子どもは、自分の知識からではなく自然に命あるものを観て感謝の心を持っている。
例えば、何もなくても突然抱き着いてきたり、身近なものを宝物のように大切にしたり、咄嗟に言ってきたり、意味もなく何かをしてくれたりする。
そしてこの「ありがとう」には、自然が大きく命をあわせている中でお互いの存在そのものが奇跡のようだという気持ちを同時に感じきっているのである。
子どもにとっての自然とは、当たり前ではないことに感謝することを当然とするようなものなのである。
理由や理屈などはなく、ただただこの自然の姿を心で捉えている感性が生きているのである。
この命が響き合う世界に、御互いが存在していることが如何にもったいないことであるか、その御蔭で自分が幸せであることがどれだけ当たり前ではない有難い奇蹟そのものであるかを感じ切っているのである。
この「ありがとう」と素直に思える心は、子ども心のことである。
何かをされるや何かをするからではなく、存在させてくださっている周囲や偉大な何かに感謝そのものの存在を真心で受け取っているのである。
次第に大人になるとそうではなく自分都合の損得勘定で何かをしてくれるかそうではないかで感謝するかどうかを決めてしまったり、当たり前のことに不満を感じて足ることを知らない気持ちになってしまっていたりする。
子どもはそうではなく、自分の心の一部としてあるがままに自然を感じているから自然に「ありがとう」と純粋な心で感謝の言霊を発しているのである。
これを子ども心の六つ目として書いておきたい。