秋の空はとても澄んでいて、風の通りが心地よいものである。
この時期の山川草木の自然の姿には、クールダウンしていく美しさがある。
山々には、獣の足跡から様々な鳥や虫の鳴き声が豊穣を木魂してくる。
褐色の地面の下では、命が緩やかに静かに揺らめいている。
穏やかに一休みするということの意味。
そこに秋の真の醍醐味がある。
人間も一生懸命生きてきて、思い切った心の一休みが次の四季の準備してくれるもの。その瞬間の心が、次の季節を楽しむ豊かな自然と繋がっている。
そして人々の毎日の暮らしの中にも四季は備わっていて、それが毎月、毎年となって新たな記憶が深いご縁と折り重なり積み上がっていくようなもの。
如何に豊かに生きるかというのは、変わらない日々ではなく、変わる日々を味わい尽くすことにある。
そして人にも門出というものがあり、季節の変わり目には常に四季の歓び寂しさ、楽しさや哀しさなどがある。
こういう季節を映し出す心こそに情緒があり、生きることの妙味がある。
春の出会い、夏の盛り、秋の休み、冬の別れ、その一つの四季にも素晴らしい感動と幸せがある。
自分の心が四季を感じるままに、人生の妙味を楽しむこと。
四季は心の中に呼応し新たな門出を祝ってくれるもの。
一期一会に支えられる今に感謝していきたい。