自分にできることを他人に伝えることは難しいことです。自分が努力精進して掴んだものは、知識だけではなくその経験もあわせて理解していく必要があります。
いくら学識だけで分かったと思っても、それは分かった風であるだけで本当に分かったとは言わないからです。人は同体験を通じて分かりあっていくものであったりするのですが、そこには時間差などというものもあります。
同じ量、道を学んでいたとしても、そこに確かに積み上げてきたものの差がある。
20歳で学を志している他人と、60歳までそのままの志で学問をしている人では同じ言葉であったとしてもその裏付けされた体験の質量は同じではないからです。
しかしそれを理解し伝達していくことで、お互いに力をあわせて何かに取り組むことは必要になってきます。その時に必要なのがビジョンの共有、価値観の主軸の設定であるようにも思います。
何かを一緒に行うというのは、その方針や方向性を把握しているかというのは大事なことです。私も何かに取り組む時は、自分から方針や方向性を確認して自分が何を学び、何を共にやるのかを決定します。
その伝達と理解の質量は何よりも大切である気がします。そしてその電線ともいうべき伝導体が何によって繋がれるかといえば信頼であろうと思います。
だからこそ人間関係には信頼関係がまず第一になるのです。自分から信頼されるように努めることは、自分から好かれるように努力することです。好かれたいと思うから好きになるのであり、好きになっている人は好かれたいと素直に感情を表現できる人だからです。
他人を好きになるのは、自分が好きになることで、自分が好きになることは、人から好かれることです。
こんな当たり前のことですが、仕事だからと割り切るのではなくもっと自分から壁を取り払い相手に優しくなれるようになりたいと思います。