自他の癖

人は生来身に着けてきた癖というものを持っています。

一般的には仕草や行動パターンなどにも出てくるものですが、正確にはその人の今までの「生き方」が関係しているともいえます。過去に何かの癖がついてしまったものが、いつまでも抜けないというのは多々あります。朝寝坊もそうだし、遅刻もそう、飲み過ぎもそうだし、小さなことを観ていたら人はみんな癖があります。

自分がすべて問題の原因だと自覚できる人は、この刷り込みに気づきやすい環境が用意されています。自分はなぜか一生懸命に取り組んでいるのに、上手くいかないのだろうかと何度も挑戦しては失敗しているからそれを正しく受け容れる土壌があるのです。

癖と向き合うときは、それが原因だと気づいてその元を正すため自分がまだまだ本来の道理から外れているのではないかと覚醒し、それを行動とセットで本気で直すことができて可能となるのです。ここで間違うと気づいたら、そこをやめるために行動を正すという具合です。

この道理というものは、例えば親子の道理であれば親は子の幸せを望み、子は親の幸せを望むというものが道理なので、親が子どもを自分の思い通りに利用したり、子どもも親の文句をいって都合よくしようとしていたら道理から外れるのでその間は何をやっても失敗します。だからこそ、親子で尊敬・尊重しあい、いつも互いに恥ずかしくない生き方をするようにつとめていくしかないのです。

仕事の道理でいえば、三方よしというように売って喜び、買って喜び、みんなが喜ぶというようにしていくことが道理なので、もしも会社だけが喜んだり、お客様だけが喜んだりするのではなく関わる人たち、社会全体も喜ぶように全てが幸せになるように正しく勤めていなければやっぱり無理がきて失敗するのです。だからこそ、理念を尊敬・尊重し合い、いつも正しい判断ができるように恥ずかしくないような生き方に仕事につとめていくしかないのです。

特にこの道理というものを見失うのは、どこか過去の体験した刷り込みが影響します。
しかしこれも根治改善すれば、在る時を境にきっぱりと断ち切ることができるのです。

それは生き方を変えるために細部の癖を直し、細部の癖を直すことで生き方を変えるという具合に常に行動と考え方を正していけば、心も次第に変わっていくのです。

気づかないうちに得た癖は、自分から気づいて変えるしかありません。
お酒やタバコといったようなものも、同じプロセスでやめることができるのだと思います。
意志と勇気が要りますが、大切なものを守るために人はみんな取り組むのです。

難しいことですが、経営者やリーダーはそのことに対して厳しい決断を迫られるのです。
他人の癖と自分の癖の相性が間違いを続けさせますから常に見つめていこうと思います。