五感と応用力

見るものと読むものの違いについて考えるきっかけがあった。

もともと見るものというのは、見ようとしなくても見せようとしてくれるものがあればこちらが主体的でなくても見ることができる。テレビなども同じで、相手がこちらに見やすいようにしてくれるので何時間でも眺めていたり受動的にそれを行うことが楽にできる。

しかし読みものというものは、一般的には読もうとしなければ読めずこちらの読もうとする主体的な行為が必要で読むと決めたり、読みたいと思って能動的に行うことが重要になる。

これは見ると読むを簡単に分けてみたけれど、実際はどの行為も能動的か受動的かというもので物事の質量は異なってくるのです。そしてそのキッカケを与えるものとして、見せるものと読むもの、聞かせるもの、嗅がせる、触らせるものという感覚というものがあるのです。

テレビでいえば、衝撃的な音楽やナレーション、映像を使いますし、読み物でも漫画などは表紙や最初のストーリーでキッカケを与えたりしますし、音楽もイントロやサビの音律で聴かせてきます。

これを五感を刺激するとも言います。

如何に人は五感を刺激され、そのものへ関心を持ち能動的に参加させるかというのは様々な技術が必要になります。プレゼンテーションでも、最初になぜそれを話すのかを五感を刺激するように伝える人の話はつい聞き入ってしまいます。

以前、秋葉原の街中でテレビショッピングのように実演販売しているものを見ていたらつい欲しくなってしまうのも五感に訴えてくるものがあるからです。

五感に訴えていくということは自分が五感で感じ取っているからできることでもあります、それはひとつひとつの体験を自分が持っていることであり、それに共感し、その五感で訴求していく力があるからともいえます。

デザインやクリエイトする力、他人を説得する力、感動させる力は、この五感を磨いているかによるのだとも思います。

小さなことであっても、なんでもないようなものであっても、そこから深く掴み取る感性や、心眼で受け取ることができる観察眼など、どれも大切な仕事のセンスです。

当たり前のことですが、この当たり前にこそ大切な気づきがあるのだと思います。
ひとつひとつの仕事を丁寧に、気づいたことをすぐに今にも応用させていこうと思います。

五感をフル活用して、様々な場所で応用力を発揮していこうと思います。