生態系と居心地

水田の手入れをするために昨日から水を循環させている。

面白いことに環境が変わってくればあっという間にそこの生態系もすぐに入れ替わって、今までいなかった虫たちが発生し、様々な微生物もそこに棲みだしてきています。

似たような生き物たちが一緒に大移動している姿を見ていたら、自分たちの環境に合わせて自分たちから自然に近づいてくるように思います。

これは人間の世界でも同じく、自分に合ったところにその人は移動してそこに住むというのが一番気楽な生き方にもなっているようにも思います。

もともと菌の世界にも、発酵や腐敗とあるようにどの場所の方が居心地がいいかというものがあります。空気を好むものと空気を好まないもの、地上か地中かというようにそれぞれが活躍できる場所があります。

この菌世界もそうですが、自分たちが活躍できるところがまさに居心地の善さになるのです。

自分が何に活躍できるか、自分が何に貢献できるかを思うとき自分の得意分野というのを知る必要があります。自分が何に向いているかということです。これを一般的には職業や場所などを決めて、自分は営業向きだとか自分はスポーツ選手向きだとか、ヨーロッパがいいやアジアがいいなどといろいろと話す人もいますがこれは私の思う向いているかどうかとは違います。

私の思う向いているというものは、自分の存在がまわりを元気にできるとか、自分の存在が周囲の人を穏やかな気持ちにできるとか、自分の存在が周囲を癒せる環境を構成できるとか、「自分の存在そのものが自他に与える影響」のことを言うのです。

つまりは、自分が向いているかどうかは何かをすることではなく、自分の存在がどのように周りの環境に正しく順応しているかということを言うのです。

順応というのは、自分から環境に近づいていくとも言えば、環境が自分に近づいているともいえます。環境の変化に順応できるかということは、自分が環境にあわせて生態系の中に存在しうるということを意味するのです。

これはもともと生命が自他が住みやすい居心地の善い場所を求めているからです。

人も同じく心をオープンに自分自身の善さを周囲に発揮させていけば周囲も自然に自分に合うようにオープンになります。自然界では、もともとオープンなので菌の世界では日和見菌という名でどちらにでも変化できる菌というものが全体の8割を占めています。

今まで発酵していた場所でも、バランス次第であっという間に腐敗していくこともあるのです。

そう考えれば、人間の世界もトータルで観ればうまいこと棲み分けられたものです。
たくさんの水を循環させて居心地を善くし新たな生態系を見守っていきたいと思います。