現場でコンサルティングをしている中で、「元に戻す」というものがある。
今までやっていたことがおかしいと分かっているのに、今までの方が安心だからと何も変えようとせずにいることで様々なことが次第におかしくなってくる。例えば、年齢でもそうだけれど20歳の時に合っていたことを35歳になっても合っていると思い込んでそのままのやり方で続けていると15年もたっているのだからその人は周囲から見ても環境から見ても同じ人ではない。
同じように、自分の過去に体験した成功にしがみ付いたり、いつまでも過去の自分を捨てられないと今の本当の自分に合わなくなるのです。そういうものを指摘してくださる事件や周囲の助言があったとき如何に謙虚に素直に聴くかということが重要なのです。
しかしほどんどの人は、今までのやり方が合っていると変えない方が安全だと盲目に信じてなかなか自分を変えようとはしません。そして変えようと思っても、元のやり方の方が安全で安心だと思い込んでいるから変わろうとしても変われないのです。
この仕事をしていると、「やっぱり保育を元に戻します」や「以前のやり方にします」などと途中で諦めて元のやり方に戻そうとします。それは単に決めた結果が訪れるのを「待てない」ということであり、言い換えれば新しく決めた今を信じる事が出来ない、新しい自分になることを途中で諦めますという意味でもあるのです。
ブレナイ経営というものは、私が意訳すると待てる経営ともいうのです。
それは待てるということが、信じるということになるからです。
そしてそれは単に待てばいいというものではなく、人事を尽くして天命を待つときの待つということでもあります。その待つというのは、過去の自分に囚われずに怠らずに決めたままの実践の今を真摯に精進する、今の自分に合うように必死に精を出して一生懸命に取り組むということ、日々を新たに真剣勝負を続けるということでもあるのです。
過去に囚われているから、過去の遺産にしがみ付くからいつまでも変わることがないのです。人は誰でも変わらない方が楽だからと次第に一生懸命に取り組むよりも、安易に小手先でやれる方へと流されてしまうものです。しかしそれでは、この今に必要なことは必然として受け取っていくことができなくなり今を生き切っていることにもならないのです。
同じことをしていたとしても、20歳で気づくことと50歳で気づくことは異なります。しかし怖いことに、変化をしなくなるというのは20歳に気づいたことで50歳を生きてしまうことなのです。 それは昨日気づいても、また翌日には気づき直すということをしないからそのように変化が止まるということです。
変化というのは、同じ日はありえないと思うことです。
そして同じ自分も絶対にいないと思うことなのです。ブレナイ経営とは、同じ経営は二度とないと思うことです。だからこそ、日々を全身全霊で生きるということ、人事を尽くして天命を待つといった信じる実践こそが大切なのです。
全てのいのちは、同じように見えて同じ成長をしません、それが進化とも変化とも言うものだからです、生まれてきて生きるというのは、今を真摯に生き切るということにほかならず、ブレナイ経営というのはそういう今を信じ切るということ、つまりは決めたことを最期まで遣り切る経営とも言うのです。
このブログもそうですが、日々は変化の連続ですから日々新たにしていくのです。
過去は過ぎ去ったものですから、今を生き切るためにいつも今の自分の変化を最大限活かしていくような実践を楽しみたいと思います。