人の抱える苦しみや問題について考えるとそれは自分との向き合い方に集約されるように思う。
自分に正直な人は、自分との付き合いが素直になるだけではなく他人との付き合いも素直になります。いくら素直にといっても、自分に嘘をついたり自分を偽れば同じように他人にも同じようにしてしまうのです。
自分を信じるということは、自分の思った通りに自分と付き合うということに他なりません。何かの価値観を正しいと信じ込んで無理強いをしたり、もしくは自分の内面からの声に耳をかさなかったりすれば次第に自分というものが分からなくなるのです。
自分というのは、感情の自分、つまり我の自分というものがあります。それに対してもともと備わっている本当の自分、つまりは魂やいのちの自分というものがあります。そういうものとの折り合いをどう保ち、如何に自分らしく自分の人生を生きていくかというのが命題になっているように思います。
この自他に正直であるというのは、自分らしく生きていくということに他なりません。
人生には色々な正解があります。
この正解が誰かにとって正しいなどというものはなく、その人にとって正しければそれは正しいとするということ。素直に物事を観れば、その人らしくいることがもっとも正直な自分の姿であるようにも思うのです。
嫌だなと思ったり、自分と合わないというのは正解がその人では異なるのかもしれません。もちろん人が生きる上で共通し求めるものは真理として存在していますが、その人らしく生きるという真理もまた同時に存在しているように私は思うからです。
天と人ではないですが、その両方がバランスよく一定に混じりあっているときもっとも正直にいれるように思います。自分に正直になるには、もっと自分を信じることが必要です。自分を認め許すことは、他人を認め許すことでそれが正直、つまりは信じるということにつながっています。
実践は、許し認めるということから人を愛すということを学び、我を省くことから人事を尽くし義を学ぶということかもしれません。正直と自分と正対は、常にバランスでありセットです。様々なことから学び、多くの矛盾を陶冶していきたいと思います。