保育ということに取り組む中で何よりも大切にしていることがあります。
それは生きる力を育てる事です。
そしてその生きる力とは私にとっては学ぶ力を引き出すことです。
学ぶ力というものは、何よりも学び、誰よりも学び、全てから学ぶという姿勢を忘れないこと、つまりは生き方を学ぶことを求めることだと思います。
人は学ぶ姿勢というものが次第に失われてその人らしい光を失っていくように思います。
子どもの頃はどんな出来事からも何かを感じて、自分の元々備わっていたものを磨きそれを昇華し自分らしく自分の人生の意味づけを行いつつ学ぶ楽しみを心から味わっていたものです。それが誰かから施された教育によって学ぶことが何か知識を得て結果を出すことかのように思われるようになったのはとても残念なことです。
子どもの生きる力というものは、私にとってはその周辺の大人たちが子どもから本来の人間の生き方を学び、それを自分にも置き換えてすぐに実践し、それをじっくり内省した後に正直に意味づけし、自らを磨き修めていくということを行う力のように思います。
つまりその人の生き方そのものがその人の生きる力というものです。
私の言葉でいうと、「子どもをお手本にしながら、子どものお手本になる。」ということ。
そういうものが保育の本質であろうと私は思います。
生き方というものは、実践を通してしか学べないものです。それは学び方も実践そのものであるからです。頭で考えているだけでは生き方は変わりません。そして思っているだけで行動しなければ時間の無駄なのです。保育を行うというのは、まず行動し実践し、自分勝手に知識だけを蓄えるのを行うのではなく実践しながら内観し、自問自答で真実を求め続けて悟りつつ、その今に感動感謝で楽しく幸せな人で在り続けているということです。
保育の道を伝道するというのは、実践したものだけで伝えるということが何よりも大切です。実際の伝道というのは、自らが道を自分の脚で歩むときだけ行えるものだからです。そして歩んでいるのは頭でやるのではなく、足を前に出し続けているから前進していくのです。
自らの生きる力をもって子ども達の未来を導けるよう、実践できること、実践し続ける事ができる日々に心から感謝して歩もうと思います。