以前、オランダでイエナプランの研修大会に参加した際のテーマが「鏡」というものがありました。ここでは自分の状態を映し出す鏡として自己観察をしようというものでした。

もともと鏡の法則というものもあります。この「鏡の法則」とは、「私たちの人生の現実は、私たちの心の中を映し出す鏡であるという法則で「自分の人生に起こる問題の原因は、すべて自分自身の中にある」という考え方のことです。

つい人は相手を相手と思ってしまいますが、自分の中にも同じものがあることに気づきます。人間関係で大変なのは、自分と相手が別だと思っているところからはじまります。本来は、自分に起こる苦しみは、自分の中にあるもので相手の問題ではないということです。

これはご縁という考え方が基点になれば理解できるように思います。

人はなぜ人と出会い学ぶのかは、自分でも気づけない自分の本当の問題を映し出し、それを学び心を磨くためのようにも思います。色々なつながり方もありますが、自分の信じる道を歩み真心を尽くしていけばそれが短い時間では理解されなくても人生のどこかの終着点では伝わるもののように思います。

人は我があるからこそ、悩み苦しみ惑いますが、我があるからこそ自分の心身を磨けるともいえます。試金石にしていくには、試練を丸ごと受け容れそれを善きものへと福へと転じる工夫が必要のように思います。未熟もの同士だからこそ、敢えて問題を共有し学びあっていくのもまた深いご縁のように思います。また永く続くご縁も、離れても強い絆が結ばれているご縁もまた素晴らしいものだと思います。

人生というものはご縁というものをどれだけ大切にするかに懸かっているようにも思うのです。

毎日、有難いことにたくさんの方々との出会い、そして事物との出会い、自分との出会いがあります。丹誠を籠めて生きるにはまだまだ凡人には程遠い日々ですが、全てのことが鏡になるよう曇りを拭い去ってありのままに観えるように自分を行じていきたいと思います。

一期一会にかんながらの道に照らしていきたいと思います。