感謝の心

人はその生き方を決めるとき、何を第一にするかというのは大切なことです。

例えば、自分のやりたいようにならないと気が済まない人がいるとします。それは本来、最終的にやりたいことをやるためのプロセスであることを忘れて自分のやりたいようにやろうとするのは単なる我儘になります。

自分の思い通りという欲は、誰しも持っています。しかしそれは本来は思い通りにいったのではなく、自分が人事を十分尽くしたからそうなっただけで決して思い通りにしたのではありません。

何でも自分の思い通りというのは、そうでないと気がすまないということで単なる自己満足のために取り組んでしまうともいえます。自己満足というものは、自利のことで本来は利他といった自分の思い通りにならなくても大切なもののために自己を捧げようという生き方のことです。

今の時代は、何でもうまくやれば自分の思い通りだと勘違いしてしまうことがあります。本来は人事を尽くして天命を待つという生き方をする人は、思った以上のことにいつもめぐり逢い、最終的には感謝の心を忘れません。

感謝の心を忘れない人というのは、我儘でもなく自己満足ではなくいつも誰かのために自分を使い切ろう、出し切ろうといった人に与える方を優先して生きるという自分でいることです。

人には誰かからいつも奪っている人と、誰かにいつも与えている人がいます。もともと全てを持っていると思っている人ほど本当は豊かではなく貧しいものです。

しかし自分の持っているものを常に与えようと精進する人は無一物中無尽蔵ではないですが自分の中にあるあらゆるものを人に与えていくことができるように思います。

与えていく人生であるというのは、つまりは捧げていく人生のことでそれは自分のために自分のいのちを使わないでいるということに他なりません。

自分が本来あるのは、何の御蔭か、誰の御蔭か、そういうものを忘れないでいることこそが自分を世の中への貢献へと駆り立てていくもののように思います。感謝でいるということは、行動で示していくことで与える歓びに生を活かすのかもしれません。

自分の殻を破っていくのは、より大きなものに自分を活かしたいからです。
感謝の心を育てていきたいと思います。