人はどれだけ未来を見通しているかでその危機感も変わります。自分のことしか考えず、自分のことしか見えない場合は当事者意識というものは持ちにくいものです。
例えば、目の前や身の回りのことから考えているとその短い狭い大雑把な範囲でしか予想を立てることはできません。それが長期的で広範囲な洞察によるならばその予想はより綿密になっていくのです。災害などもそうですが、目の前に起きていないことは起きないと思っても突然目の前に現れれば焦るように、人は起きていないことについては当事者とは実感しないのです。
次第に近づいてくる変化には弱いもので、突然や急激な変化には対応できてもジワジワと移り変わっていくことについては目には見えないものだから気づきにくいのです。
しかし実際は、経験をたくさん積んできたり当事者意識で未来を見通す必要のある責任あるリーダーたちは今のタイミングを外したら、この先の将来に大変なことになるということが分かっているのです。
実際、どの組織でも会社でも今の危機感をどれだけ真剣にもっているかでその差が開いていくものです。今、それをやらなかったら将来どうなるかが観えるかどうかは、その人の問題意識や危機感の差になっているのです。
世界のことを考えたり、子どもの未来を考えれば考え切るほどに、この先の数年後がどうなるかを予想できるものです。ニュースをみたり、身近な現場の変化を実感すればそれははっきりと明確に観えてくるものです。今をどれだけ真剣に見つめているかで歴史も未来も全て見通せるからです。
そういうものを自分の問題として危機感を感じて、今、このタイミングで何をしなければ将来どうなってしまうかということを深く洞察するからその人はリーダーになるのです。
つまり危機感と問題意識とは、持てといっても持てるものではなくどれだけ未来を見通し自分が今何をすべきかを持てということのように思います。未来を見通しているからこそ、危ないと感じて見誤らない選択を常に判断していくという覚悟がいるように思うのです。
なぜ、この人はこんなに凄味があるのだろうや、危機感があるのだろうと感じるのは、その人には明確な未来のビジョンが観えているからです。どれだけの広さで物事を観るか、どれだけの深さで観るか、どれだけ自分の責任として観ているか、どれだけ本気で観ているか、などすべて観る視点によって変わっていくのです。
リーダーを学ぶということは、自分が観えないところを観ているのではないかと自分の視野の狭さを戒め、そのリーダーの見通した未来やビジョン、今を洞察する力を育てていくしかありません。
それは、自他一体に自分の問題として全体のことをどれだけ捉えることができるかによります。偉大な広さで物事を常に考える、そして向き合い自分がどうしたいのかを決心するその連続にこそ当事者意識の芽があるように思います。
他人事にしていると、他人任せにしていると、そのうち未来が見通せなくなっていくものです。他人事にしないのが危機感を育て、自らの先見を明らかにしていくのです。
常に未来の全ては自他一体事として考え切っていきたいと思います。