人はどんな時に基本を身に着けるかといえば壁を乗り越える時のように思います。
何を以って基本というのかは、その心の態度や姿勢が動じなくなることのように思います。
例えば、何かを決めたとします。すると、それを達成するためにはその都度自分に打ち克っていかなければなりません。様々なことから自分が決めたことを自分が先に負けてしまっているのでは勝負はそこでついてしまっているからです。
諦めないという心は、何よりも大切なものですぐに諦めてしまう自分の心の姿勢を直すことができなければどんなにテクニックだけを持っていても肝心な仕合では克てないのです。
自分に打ち克つというのは、自分で決めたことに対しての練習を続けていくことです。気分で仕合うことなど人生道場では許されることではありません。
どんなことがあったにせよ、生まれてきて真摯に遣り切ると決めたならどんな時でも自分に打ち克てるかどうかが仕合の心構えのように思うのです。
人にコンサルティングすることも、コーチングをすることも、そのテクニックは本などでもそれぞれでさまざまな方法が紹介されているものです。しかし、実際は己に克つということを教えていないでそのような技術だけが先行してもその人の個性を引き出すことはないように思うのです。
その人がその人らしくなるには、その人が自らに打ち克って自信をつけなければならないと私は思います。壁を超えて困難を楽しみ、そして前進することに感謝できる時にだけ、融通無碍の自由自在の境地を味わえるように思うからです。
人と会う仕事での一期一会も、応用ではなく基本なのです。
その基本は、具体的には自らがどのようなケースやパターンでも自分の最善を尽くせているかということです。そしてそれができているのなら、必ずその出会いは最幸最大のものであったと言い切れるものになっているのです。
常に日々の中で先に自分との闘いがあることを忘れないことのように思います。
心で浮かんだことを一瞬にして判断し、それを実践する強さとは基本のことなのです。
基本を身に着ける人が増えていくよう、心構えを決め直したいと思います。