昨年も沢山の方々の御蔭様の中で、無事に自分を活かしていただくことができました。年々歳月、自分の与えられたいのちの時間は減り続けていますが同時に豊かさの時間はずっと増え続けています。
この地球上で人生を謳歌できるということは、自然のあるがままにいるということであり、得難い一期一会を戴いていることを心で実感します。
また新たな出会いの中で仲間や家族が増えていくことほど、人生の無二の愛を実感することはありません。人は人との間に愛があり、愛を感じることで絆も深くなっていきます。たとえ外界の自然界と人間の距離が離れてしまっても、御互いを思いやり必要とし合う関係の中で新たな「つながり」を産み出していくのが私達、いのちあるものの徳恵であるようにも思います。
都会と田舎を行き来していく中で、都会では強く人との愛を感じ、田舎にいけば自然の中で慈しみを感じます。生きているということは、偉大な慈愛の中で活かされているのだということを思わない日はありません。
今年も、独立自尊の道中において師とのテーマを共有することができました。
毎年、ふり返りの中で道の課題と正対し学び続けることができることに幸せを感じております。
今年は「途中を大切にする」ということになりました。
保育のお散歩で例え話をいただきましたが、子どもたちのお散歩もよく目的地まで行くことが目的になっていて目的に達するとさっさと戻って来るということがあるそうです。学校の教育実習などもそうですが、目的地だけが目的になってしまっていることがよくあるように思います。
そうではなく、目的地までの道中を楽しむ、プロセスを味わうというように、実際は目的地に行くことが目的ではなく、目的地までの道のりそのものが目的であるのだという意味です。
どうしても人は焦りや不安があったり、目先の出来事だけに囚われてしまうとどうしても心の眼で捉えていた本質から次第に離れていくものです。しかし、たとえ暗闇の中にいるようでも灯を消して観れば自然の明かりがぱぁっと啓けて顕われてくるように思います。
色々と社会現象や、子どもの今を垣間見たとき焦りそうになることがありますが、夜明けのない朝がないように必ず世の中は清々しい夜明けを迎えることができるように思います。
だからこそ途中を忘れないための実践をすることを優先し、結果や目標が目的ではなくその過程をどれだけ大切に生き切っているか、その大義や意味を深めて堅忍果決、精進しつつ丹誠を玩味するのかはその人の決めた生き方そのものによるように思うのです。
これは心の余裕ともいうものかもしれませんが、常に心のままに観立てていける力を育てつつ真摯に学んでいく一念にしていきたいと思います。
今年も、また学問道楽の日々を送れることに心から感謝いたします。
今年もよろしくお願いします。