何かの技術を習得するとき、基本と応用というものがあります。しかしこれを間違えている人が多いように思うのです。
例えば、スポーツの最初の練習に基礎体力というものがあります。これはいくら何かの技術を覚えても、それに相応しい体力がなければその時間に耐えうるベストなペースを維持することができません。バスケットでも長距離走でも、そのどのスポーツであってもまずは体力と集中力がなければ全試合の行程を乗り切ることができないからです。
だからこそ、まずその試合に対する基礎体力を育てます。具体的には、筋力トレーニングだったり、それに応じたメンタルトレーニングであったりと、地味な練習を長時間積み上げてそれに相応しい体力と集中力をまずは身に着けさせるのです。
そしてどのスポーツにも基本というものがあります。
如何に無駄な力を入れずに取り組めるか、自然体のことですが自然体をマスターするためにはまず基本としての型を徹底してその身に着けさせる必要があるのです。
全ての物事には基本と応用いうものがあります。
ただこの基本と応用いうものの刷り込みを持ってしまう人が多いように思います。
私の思う本来の応用とは基本のことです、そして基本が応用だということです。
つまりは、基本ができる人がはじめて応用ができ、応用ができる人は基本ができているということです。何でもすぐに応用をしたがる人は基本ができていない人がほとんどです、そして基本ばかりやっているという人もそれが応用だと思っていない人がほとんどだからです。
基本が育てば、そこから多様な対応をすることになるのだから応用なのです。応用が育つというのは、より基本が習熟して研ぎ澄まされるということなのです。
そしてそれは練習によって得られます。どれだけ基本を徹底したか、何を基本として身に着けるかということなのです。場数によって自分の心身に如何にムダムラムリのないスマートな行動ができるようになっているか、そこに辿りつくのです。素直さが何よりも大切というのは、自然体ということを身に着けるためのプロセスとして各界のコーチは言及しているのでしょう。
その自然体を身に着けるには徹底した自然の練習の量と質が必用です、現場で時間を惜しんで練習する徹底があって基本の本質が叩き込まれるからです。同じく仕事ができる人の特徴は、目には観えないところで日頃鍛錬しているその基礎練習に全くの手を抜かないからだと思います。
何を基礎にするのかが沁み付いているからブレナイということです。
日々の積み重ねを如何にバカにせずに、徹底して鍛えていくかが自分に打ち克つ最大の武器になっていくはずです。日々の生き方、取り組む方、時間の使い方、判断の仕方、行動のパターン、真心の実践、信念の醸成、その一つ一つが基本と応用であることを怠らないのでしょう。
常に基礎基本が応用であることを決して忘れずに、基本=応用を主軸に心体技、そして魂の開花を執念深くコーチングしていきたいと思います。