人間が技術を身に着けるためには、訓練というものが必要になります。
いくら頭で考えてそうなりたいと思っていても、訓練がまったく足りてなければ思うような結果が出ることはありません。訓練とは繰り返し何度も練習をすることであり、それは言い換えれば自然にその技術が身につくまでは猛練習することをいいます。
一度も猛練習をしないで、ちょっとやっただけでできたと勘違いしていたら本番では必ず何らかのミスにつながり自信がなくなってしまうものです。また訓練には、自分のことが好きになるという要素もあります。
毎日毎日、飽きもせずに自分で決めたことだからと猛練習を続けていけばその猛練習する自分のことが信頼できるようになります。自分への信頼というものは、ちょっとやっただけではなく本当にやっている状態のときにできるものです。
そしてこの自分への信頼が持てる人こそが、他人から信頼される人になるように思います。
たとえば、自分が何か困った時に自分がどう助けてくれているか。自分が大事な時にどれだけ自分が力を貸してくれているか。この自分との関係が如何に信頼できるかによって、その人の現実の世界もまた顕現していくように思うのです。
いつも自分が妥協し、訓練を怠り、決めたことを先延ばししていたら自分との信頼関係が築けなくなってしまいます。そうなれば人からも信頼されないのだからどうしても人間関係をはじめうまくいかなくなるものです。
つまり訓練とは何かといえば、「自分の心を自覚する」ということであろうと私は思います。
日ごろから丹誠を籠めて何百回も訓練することで、心の作用で自らの中に自覚が芽生えてきます。その自覚とは、自分がそれを遣るということその決心の強さに現実が目覚めるのです。つまり自分がどうしたいのかをもう一人の自分に気づかせてあげるのです。
そうやって自分がひとつ、一人の自分が錬成できるならば必ず事物は一体に実現していくように思います。ろくな練習もせずに訓練もせずに愚痴や文句ばかりいったとしても何も変わっていくことはありません。
自分で決めたのだから、言い訳をするのではなく「そこまでしてでも遣りたいか」という自問自答に真っ向から挑むくらいの気概で挑戦していくことで訓練の弾みになるように思います。コーチの仕事も仲間の役割も本来はこの訓練に寄り添ってあげることかもしれません。
他人ごとではなく、本気でその人の成功を信じるならば行動に移していくことだと思います。
自立支援というのは、信じることですが訓練を見守る愛が具体的な手立てかもしれません。
学ぶを深めていきたいと思います。