自分との挑戦

人は自分を変えるとき、今まで使っていなかった能力を開花させているともいえます。

それは新しいことに常に挑戦して新しい筋肉を使わなければならないののに似ています。新しいスポーツに挑戦すると、筋肉痛になるのはそのスポーツに必要な能力を引き出しているからです。そしてこれは筋肉に限ったことではありません。自分の意識変化に対して同じようにいえることです。

少し飛躍してしまうかもしれませんが、昆虫に変態するというものがあります。ヤゴからトンボになったり、青虫が蝶になったりと、蛹を経て別の形態になるということです。それは言い換えれば、今までと全く異なる能力を使っているということです。

そのために今まで持っていた能力を思い切って捨てては転換し、新しい能力を新たに水面下から引き出してくるのです。これは言い換えれば潜在意識下での変化です。

脳科学からわかってきたことですが人間は脳のほとんどの能力を使っていないといいます。つまりこれは人体すべてに言えることで今の私たちはわずか数パーセントの力しか発揮していないのです。これは全部使ったらいいという意味ではなく、潜在意識下で自分にこの能力が必要かどうかを常に自分が取捨選択しているということです。

ある職業につけばおのずからその職業に必要な能力が開花してくるように、人は環境に合わせて適合するようにできているのです。しかしこれを邪魔するものが今までの能力を捨てようとしないことです。それは自分というものを勘違いしているからです。

本来の自分というものは、環境の中で存在しているものであり無理に自分探しなどしなくても自ずから自分の存在は自然に顕現してくるのです。自分はなくならないのだから自分探しをするよりも周囲を思いやりながら活かされている自分に気づき、自分の今いるところを自ら気付き自らのその方向性を確かめ続けた方が本当の自分に出会えるように思います。

結局は人は無理に自分を持とうとすればするほどにその能力開花の邪魔をするのでいつまでも変わらなくなるのです。そして人間は今までせっかくつけてきた能力を挑戦なしにご破算することはなかなかしないものです。

だからこそ自分との挑戦というのは能力開花であり、今までやったことがないことをたくさんチャレンジすることで今までの能力が捨て去られ新しい能力がメキメキと引き出されるのでしょう。

今までやってきたことの延長線上にやっていくのは変態ではなく、まったく新しいことをやることで変態するのです。好奇心というものは常に未知の世界を求めます、それは未知の世界には未知の能力があることを潜在意識が知っているからでしょう。

その人が変わりたいと強く願うなら、今までの能力を使おうとしないことです。今まで使ったことがないことを引き出すには、今までやったことがないことに取り組むのが最善の方法です。

潜在意識を変えるような自分との挑戦を愉しんで、新しい自分に出会い続けていきたいと思います。