人間は自分だけが特別な存在であると錯覚する生き物です。これは自分だけが特別だと思い込んでいるともいえます、言い換えれば全知全能の神、もしくは万物の霊長などと言っているのと同じです。
自然界から見たら、別に人間だけが特別なわけではありません。道具を使う生き物は他にもいますし、ほとんどの生き物はそれぞれに言葉を使い分けます。五感も第六感も持っています。文字ではなくても文字のような印をつけて理解しあう生き物もいます。
人間だけが特別なわけではないということです。
しかし人間は自分を特別だと思いますから、他の動物たちとは異なりなんとかなると思っていますがそんなことはありません。自然界というのは大変複雑な生命のつながりのなかで調和を保っています。
ある生き物が絶滅すればそれによって他の生き物は大きな影響を受けます。人間には関係ないと思うかもしれませんが、そのことである動物に病気が蔓延したり、そのことから病原菌が広り伝染病が発生したりと、多様な生物たちが無駄なく補完し合っているから自然全体でお互いを生かすために善い影響が出てくるのです。
先日もマラリアの予防で遺伝子操作で蚊を絶滅させることができる研究をしているというニュースが報道されましたがまったく気がおかしくなったのではないかと思ったほどです。人間に都合が良いものは保護し、人間に都合が悪いものは滅しようとする。
なくなっていい生き物となくなっては困る生き物がいる。この時点で如何に人間が自分だけは例外で特別であると勘違いしていることに気付かなくてはならないのです。
今は第6期の大量絶滅時代だといわれます。その速度は凄まじく、現在の絶滅は、過去のどの大絶滅よりも急激で大規模になってきているといわれます。生態系の破壊による根こそぎの種の絶滅のため約 2000万種の生物のうち、毎年5万~15万種(毎日 100~300種)の生物が今も日々絶滅し続けてるそうです。
過去にここまでのスピードで絶滅したことはなかったのです。いくら人間が全知全能と思い込んでいても、自然界のゆったりとした中で生き物たちが進化成長し順応する速度を大幅に超えて循環を壊せば修復はもう不能なのです。
つながっている循環の糸をあちこちで断裂し滅してしまえば、そのつながっている糸は他の生き物たちの糸をも破壊していくのです。そろそろこの辺で人間が特別だという意識を転換して、自然の一部として謙虚に自分の分度を定めようとする社會を政治を考えなおさなければ本当に取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
子どもたちや子孫、未来に何を譲っていくか、それはこの多様な自然の姿以外に何があるでしょうか。自然から離れて都会に住んでその中でだけで世界は動いているではないのだから、お金で偽った経済の本を本来の自然の経済に回帰していくことだと思います。
自分の身の回りの生き物や友達が次第に消えていくことは本当に寂しいことです。人類は一人一人の生き方の気づき、そしていのちの目覚めの時代に入っています。