私たちの体は自然の一部として存在しているものです。つい人間は考える頭がありますから自分がもっとも特別な存在だと認識してしまいます。これは体についてもいえることですが、体に変調があっても脳がそれを受け容れずに自分勝手な解釈をするように全体と一部が逆転してしまいます。理性と本能も同じです、本能の一部に理性があるとは思わないのです。
しかし本来、地球の一部として存在しているのが自分ですからありとあらゆる調和の中でバランスを維持しようとする全体の一端として存在しているのです。
天候や気候の影響を受けますし、周りの生き物たちとの循環の影響も受けています。それをいくら無視して脳の中の自分の世界だけに自分が存在していると思い込んでも現実はそんなことはできるはずがありません。
そして人間が自然治癒する仕組みもまた地球が調和を維持する仕組みと同じです。
それを身体の免疫で例えれば日頃守っているNK細胞がある程度は自力免疫で自分を守りますが、それでも守れない場合はT細胞といった他力免疫が現れて外部からその病原菌を取り除きます。
これは自然農を実践する中で気づいた智慧ですが、自然界の植物たちも同じく自らで守る自力免疫をそれを超えてやってくる虫たちなどの外敵には天敵が現れて助けてくださるのです。
つまり人間の体も自然と同じく、自分の免疫とそれを超えてバランスを崩すと天敵が訪れて調和を保つのです。ここからも自然界で起きている病気を調和する法と人間の体を調和する法が同じであることが分かります。
そもそも人間中心に考えていれば、自力免疫とか他力免疫とかではなく全部薬などの人間の創りだしたものしか信じなくなりますが自然の一部であるというように認識しているのならば自然の治癒を信じることができるはずです。
如何に自分が人間を優先しているか自然を優先しているかが、対処法に出てくるのです。根源的に治癒するというのは、人間の対処療法ではなく自然の根源治癒にしていく必要があるのです。
根源になるというのは、自他免疫を使うこと、人事を盡して天命を待つこと、自然治癒を信じて治癒を邪魔しないように健康健全を実践するということです。それは身体だけに限らず、心身を健康に保つということです。心を清らかに澄まし、明るく前向きに周囲を慮り、御蔭様や感謝を実感し、今此処に自分のいのちを役立てて働く喜びを味わって活かしていくように元気な生き方をしていくことのように思います。
ちょっと抽象的ですが、自然をお手本に自分の生き方を見直していくということです。地球の一部なのだから地球と一体になれるよう、自然体に近づいていきたいと思います。