人は矛盾する相反するものを理解するとき、一流であると人々から評されるものです。以前ある人は矛盾を抱えながらも一つを成し遂げることが個性であると言いました。つまりはあらゆる矛盾をどう乗り越えるのかがその人の人間性であるのです。
例えば仕事では、働き方と生き方の一致ですし、生き方でもあり方と処し方の一致、他にも自分と他人との一致、人間学と時務学の一致、きりがありませんが二つ以上のものを一つにできるのはその人間の中に矛盾を抱え込む器ができているということでもあります。
自分の性格も生来からどちらかに偏っているものです、それが個性でもあります。ある人は積極的、ある人は消極的であるとも言えます。積極的な人には内省を促し、消極的な人には実行を促す。そのどちらもバランス善くできる人が真の主人公です。主体性と一概にいっていても、その主体性を発揮するには人間を磨き、自分を育ててバラス感覚を身に着けて矛盾と調和を内在できるようにならないと自由にはなれません。
結局は、自由も人格が関係していて自由の中にあるあらゆる矛盾を受容できてこそ自由という無限の選択肢の中に生きられるようになると思います。自分を変えるということも、柔軟性ということも、全てはこの矛盾に対する実力のことを言っているように思います。
人は膨大な知識を得ては想像を膨らませますが、同時にその一つ一つの知識を実体験によって消化していくという矛盾に生きています。夢と現実、思想と実践、目に見える世界と目に見えない世界、それらを調和するのは自分なのでしょう。
最後にシュバイツァーの言葉で締めくくります。
An optimist is a person who sees a green light everywhere, while a pessimist sees only the red stoplight, the truly wise person is colorblind.
楽観主義者は、どこでも青信号を見る人のこと。悲観主義者とは、赤信号しか見えない人のこと。そして真の賢者は、色盲である。
「真の賢者は色盲である」。
これは面白い言葉で、読んだとき嬉しくなりました。刷り込みのない世界に生きた人たちと刷り込みを取り払っていきたいと思います。