台風が通り過ぎると、とても空気が澄んで空が眩いほどに光り輝いてきます。空に流れた濁流が水と一緒にあらゆるものを風とともに持ち去ってくれます。そのあと、またすべての生き物たちがゆっくりと出てきてはいつものように活動をはじめます。

太古の昔から今までずっと、自然は地球の一部です。

その地球の一部である私たちは言い換えれば自然の分け御魂です。分け御魂とは、その大きなものの一部であるということで地球そのものであるといってもいいのかもしれません。そして地球はまた宇宙の一部です。

そうしてみると、あらゆる気象の変化は私たちであり、そしてあらゆるいきものたちの存在も私たちだと言えます。みんな同じ一つを分け合っているのだからすべてのことに共感する宇宙自然を持っているということです。

これらの宇宙自然の感得というものは、尊敬により顕現します。

西郷隆盛は「敬天愛人」と言いました。

あらゆるものを尊敬し、その真心をもって人を愛すと。

宇宙をはじめすべての目に見えるもの見えないものもすべて尊敬しているか、当たり前のことを忘れて非科学的だとか宗教だとか言う前に本来の人間としての初心を忘れないで生きたいものです。

自然の中に在る分け御魂としての依代になれるよう、真心を澄まして洗い清めその魂を磨いていきたいと思います。