変化のお手本

人は成長する過程の中で、如何に今の自分を受け容れるかで変化を歩んでいくものです。今の自分を受け容れるというのは、自分が選択してきた今を認めるということです。認めることができるのは、自分自身を認めているから自ずから認めることができるように思います。

人はかつて自分の成功体験というものを誰にしろ持っています。そこを起点に、こうでなければならないと自分がいつもその成功したときの感情を維持しようと昔の自分を持つものです。齢をとると変わりにくくなるのもそのためです。しかしその昔の自分と今の自分は、周りの環境が変わっただけではなく関わる人も変わり、時代も変わり、そして自分自身も変わります。その自分自身をいつまでも変わろうとはせずに執着していたら頑固な人になってしまいます。

この頑固さとは柔軟性のなさであり、今の自分を受け容れることが出来なくなっているということでもあります。こうでなければ、こうあらねば、つまり「ネバネバ」すると縛られ頑なになり、囚われ、凝り固まっていくものです。これは真面目すぎて正しいばかりを押し付ける「ジメジメ」と似ています。

結局は過去の自分を手放すことができるかどうかが変化を受け容れるということなのです。

過去の自分に固執して、過去の自分の成功体験を再びと願うよりも周りの人たちが慶んでくれる自分になっている方が仕合わせなものです。それにできないことばかりを求めては頑固に周りをその成功体験の時の状況になるように引き寄せようと努力するよりも、自分にしかできないことで自分のできることを精一杯やって、自分の持ち味で周りの人たちが倖せになる様にと自分をぱっと変えてしまい働いた方が感謝され、その感謝の声を浴びている今の自分をもっと好きになれ、素直に今の自分を認めていくことができるように思います。

自信というのは、過去の成功体験にしがみつくことではなく今の自分でできること全身全霊で精一杯役立てるようにいる方が悔いもなく潔く快活、そうやって周りの御蔭様で自分らしくいる自分に具わるものです。自分らしさを自分勝手とはき違えては、周りを無理に自分らしさに合わせようとするから余計に自信がなくなっていくのかもしれません。自分を貫くというのは大事なもの以外のことは何を変えてもこだわらないというのが本質でありプライドを維持するということではないのです。

そして本当の自信を持つ生き方というのは、「今を生き切る」ということです。

本当に今を生き切っているか、今できることを遣りきっているか、自分の持ち味を活かして全体のために使い切っているか、自分を気にする前にもっと自分を活かし周りを活かすために自らのいのちを役立てていく方が自信に満ちた人生を送れるように思います。

何があっても自他を活かすという信念が柔軟性であり、変化を受け容れそれを味わい楽しむ能力です。そして本物の自信は変化した分だけ増えていきますから、思い切って今までの自分を捨てて新しい自分に出会った方が愉しさもまた倍増していくものです。新しい自分に出会い続ける人は、頑固になることはありません。なぜならそれまでの自分を捨てることに迷いがないからです、それは遊びながら挑戦し成長する好奇心旺盛な子どもの姿そのものです。何でも好きになって楽しんでしまう子ども心のままに生きているならばもうそれは変化そのものです。

この変化は自然の法理です、そして子ども達は変化のお手本ですからその子どもの姿から学び直しつつ、勇気をふりしぼってはチャレンジを一杯やって日々の変化を味わい盡して、役立てる仕合わせやご縁に感謝して歩んでいきたいと思います。