人はお互いに立場で関わると本来の平等な関係が築きにくくなるものです。例えば、上限関係や父と子、兄弟、師弟など、それぞれの立場を優先すればやってもらって当たり前と勘違いすることがあります。これは刷り込みで、お互いの立場を思いやり助け合っていけばいいのですが実際は立場でのみ相手と関わると大切な感謝の心が通じ合わないことがあります。
立場というのは、損得や利害が入ってくるものです。自分の立場が崩されないようにと、自分を中心に損か得かになれば感謝の心は入りません。本来、関係性というものはお互いに必要で大切だから感謝しあっているものです。しかしその前に立場を持ってくればやってもらって当たり前などというごう慢な気持ちが出てくるのです。
例えば何かをするときに「自分がただそうしたかったから」と思って見返りも求めず、認めさせようともせず、恩を着せようともしなければ相手も立場などを気にしません。しかし「自分はここまでしてやったのに」と思って見返りを求めればすぐに立場が入り込み人間関係にヒビが入ってくるものです。この立場を利用するというのは、自分の立場、その立ち位置ばかりを優先して行動しているときに出てくるものです。
よく考えてみればすぐにわかるのですが、心配すべきは自分の立場ではなく相手の立場を考えてあげることです。それが思いやりだとも言えます。どうしても自分の立場ばかりを考えて行動してしまえば、思いやりに欠ける言動が相手を傷つけてしまうことがあります。
特に立場が上だったり、立場が優位にある人はいつもそうではない人の立場を慮り配慮することで相手の立場を理解して思いやりが欠けないように気を付ける必要があると思います。それがお互いに一緒に尊敬し合う関係を築いていくことになるからです。人間関係が睦まじくなれば、共に生きていくことが楽しくなり仕合せになります。
身内であったり、友人であったりすればなおさら甘えからその配慮は欠けてしまい自分の立場ばかりを守ってしまうものです。思いやりや優しい人になるためにも、感謝と尊敬の念を忘れず、相手の立場をまず考える人になりたいと思います。
人間関係は自分の利他心を磨くものだから、引き続き自ら省みて行動に換えていきたいと思います。