実践の背景

昨日は、同じ理念で保育に取り組んでいるお取引先の方がご来社くださり社内の見学をして帰られました。日ごろは私たちの方が訪問をして、風土や文化や仕組みを導入してそこで一緒にお話をするのですが来ていただくと改めてその実践の背景をお見せすることができます。

自分たちの体験したことや、なぜこのような実践を行うのか、また現在の課題やこれまでの経緯をオープンに伝えることで完成形でもなければ完璧でもなく、常に改善することに意味があることを私たち自身も理解します。

理念があるというのは、常に理念に応じて従い自分たちの姿勢を省みて修正改善を続けてくことであり、できたから終わりなのではなくできないからダメなのではなく、試行錯誤していく中でいつも原点から振り返り本質を維持し続けていこうと忘れないことで理念を守っていこうとする取り組みをしているだけとも言えます。

自分のものの見え方を変換したり、自分の考え方を転換するということは世界を変えていくということです。外界の世界は自分の思い通りににはならないのだから、その世界の変化に対して自分の内面をどのように変化させていくか。大切なものがあるからこそそれを守るために自分たちが変化に応じて常に今、何を変わっていけばいいか、それを学び合うことでいつまでも私たちは発達と発展を遂げていきます。

その時、どのような物差しで自分たちを磨くのか。そこに確かな理念があると自分自身の視野を超えて物事を測れるようになると思います。自分だけの視野というのは自分自身を変えるものにはならず、自分を超えた物差しや尺度を持つことではじめて自分が変わっていきます。全体最適というものもまた、どれだけ全体のために自分を優先できているかという尺度の一つです。

自分のことばかりを考えてしまうと、自利が強くなり己に執着してしまいます。忘己利他の境地のように自分のことよりももっと大きな理念や志のために如何に自分を活かしていくことができるかという課題は自分を導くためにはとても大切な実践徳目のように思います。

人は正解や成功に囚われるとどうしても自分の心配を優先してしまうものです。そしていつも正しいことばかりに固執すると、マジメになり、ないものばかりを数えてしまいます。そんな時は、思考停止してしまっていることに気づき、本当は何かと理念に立ち返り考え直す必要があります。正解よりも本質かどうかということを優先するには、魂の力のようなものが必要です。

本当の世の中は、決して自分の都合よく自分勝手になることはありませんからいいことも半分、わるいことも半分、体験を通して学びその体験を活かして意味を深く味わっていくことで変化の中り変化そのものに同化していけるのかもしれません。

「問題解決よりもそこにもっと大切な意味がある。」

そう思えるように、人生の意味を理念の物差しで常に振り返り、実践から味わい深く掘り下げてつかみ取り、それを同志や仲間と分かち合い。共に学び、共に本質そのものに近づけるように自他を分けずに一期一会の御縁を盡していきたいと思います。