お天道様と素直な心

お天道様という言葉があります。これは天の道のことをいいますが、昔は「お天道様がみてますよ」と天の道に背かないように正道を歩みなさいとみんなで声掛けを続けてお互いに見守り合い生きてきたといいます。

日本人にはもともと「恥」という意識があり、常に道から外れないように自戒を持ち社會を形成してきたといいます。今ではあまり聞かなくなりましたが、このお天道様の存在は人間がごう慢になっていかないための大切な社會の基礎だったように私は思います。

この天の道とは何かといえば、自然に沿った道のことでもあります。人間だけにとどまらず全ての生きものたちは天の助けによって活かされている存在だとも言えます。この天とは、宇宙であり自然であり、自分たちを存在させてくれているもの全てのことです。その天の助けが入ることで人はこの世に存在することができています。

いつもその天の御蔭様の存在を感じて生きていけば、人間の欲望だけを優先して生きていくことが正しくないことをすぐに気づけるものです。天の道、天の助けを借りて、今度は人の道、人の助けがあるのが人生です。

その天の助けが入るような生き方とは、お天道様が見守ってくださっていると信じて天の声に従い天命に生きる人にこそひかりが宿るように思います。そのためには、そのお天道様の声が聴けるような素直な心が必要ではないかと思います。

素直な心は、天と一緒にあると思うのです。

天と一緒にあるものは、志を同じくする仲間に恵まれ、そしていつも有難いご縁に導かれ、豊かに大義に生きることができます。

今の時代、あまりそういうことを言う人もいなくなったのは住みながらにして価値観だけが別の国の文化にすげ代わって本来の生き方が入れ替わってきたからかもしれません。

古人が師としたものを師とし、ご先祖様が大切にした生き方を守って、子どもたちに確かな道筋を遺し伝道していきたいと思います。