手入れ

先日も自然農の田んぼの草刈りを行いました。この時期は、稲だけでなく稗や粟など周囲の草草も一斉に伸びる時期なので稲の周りの草刈りが大変です。

周りの田んぼを見ていたら除草剤などで稲以外の草は全く生えていませんが、自然農の場合は農薬を使いませんから草だらけです。ちょっと目を離せば、すぐに他の草が所狭しと生えてくる。それをまた草刈りをして稲を見守るという具合に、何度も何度も手入れをしては稲の生育を助けます。

本来はこのように自分が育てる作物を見守り、そのものが自分で育つところを見届けるまでつかず離れずに寄り添い育成する。そして稲のいのちが充実しているかどうかを確認しながら同時に自分もそのいのちに寄り添いながらいのちを充実させていくという考え方です。

当然、田んぼでの作業は重労働で疲れますしあまりにも草が多くなったところを片付けに入るのは勇気が必要です。掃除も同じく、日ごろから手入れをしていればちょっとずつやるから大変ではないのですが少しでも怠るとあっという間に手を出せないほどになります。

塵も積もれば山となるという諺にあるように、たとえ小さなことであっても気づいたときにやらなかったら後で大変になるよという教えでもあります。

私のように出張が多く、しかもやっていることが多い場合は創意工夫や智慧を用いて草を抑制したり、なるべく少し離れてもいいように環境を整えたりという仕組みでやっていますがそれでも手入れを怠ればすぐに元の状態に戻ります。

草刈りも掃除もすべては手入れです。手入れはその同義語に、世話をする、面倒をみる、他にも修繕や修理、取り繕う、復元や、復旧などの意味があります。

私が取り組んでいる古民家甦生も自然農もそのすべてはこの手入れからはじまります。

自然物と接する私もまた自然物だからこそ、手入れを怠らないことで維持していくことができます。この手入れの技術を磨き上げ、手入れ上手になれるように一つひとつのことから学び直していきたいと思います。