何の会社か?

多様な価値観がある中で、会社というものも多くの会社があるように思います。それはサービスが異なるように理念もまた異なります。どのような理念で何をしているのかはその会社会社で様々です。

何のために会社をやるのかの目的が異なれば、会社がやっていることの本質も変わってきます。外からみて、この会社は一体何をやっている会社だろうかと思えば売り物を見ればなんとなくわかるのですが、その会社が生き方として目指しているものは中に入ってみなければわからないものです。

私が尊敬する経営者の一人に、出光佐三氏がいます。

日本的経営を実践した出光佐三氏は、その理念を「人間尊重」としました。そして新入社員が入社した際には訓示として「ここは人間修養の殿堂即ち「人間尊重」を社是とする人格錬磨の修養道場に入られたことを心からお祝いする」と仰っていたそうです。さらに「修養は、禅寺や修道院などで行われているように思われがちですが私のいう修養はこのような社会からかい離された狭い場所でのみ使用されるような修養ではないのであります。」と仰られています。

私もまったく同様で、どのように自分を磨いていけばいいか、仲間とどのように磨くか、子どもの心を見守るためには自分自身を磨き高め続けなければなりません。だからこそ、会社での日々の働き方や生き方を通して自分磨きを行い切磋琢磨し人格形成の環境を世の中に広げていかなければならないと思っているのです。

生き方と働き方の一致という言葉がありますが、あれは正確には全人格で生きるということです。仕事も家庭も趣味も学問もすべては「人生」ということですから、その人生をどのように生きていくかを定めることが何よりも優先です。

そしてこの優先するものが目的であり、その社是を持つ会社の理念に取り組むというのは自分の人生を磨くための道場に入ったということです。あくまで何をやっている会社かと尋ねられれば、本質として「子どもの憧れる生き方をする道場」で修養をし修行をする会社ということになります。

古は、学問とは人格修養のことであると論語に書かれます。

師と友とともに道に入るのなら、その場を高めて道を続いていく人たちのためにも磨き続けて洗い清めて歩んでいきたいと思います。