人生の創作活動

人は自分という存在を自覚するのは、周りの人たちのことを深く知ることで理解できるものがあります。どのような家族や友人や仲間に囲まれているか、その環境の中で自分自身が形成されてきたことに気づきます。自分が今、自分を自覚できるのは与えられてきた環境やご縁によって自分自身になったともいえるからです。

そう考えてみると、自分はこれまでどう生きてきたか、そしてこれからどう生きていくかという事も考えていくことができます。生まれながらに恵まれた環境を与えられて、善い人、善い友、善い教えに触れてきた人は仕合せに気づきその恩恵に感謝しながら肯定的に生きていけます。しかし時として恵まれない厳しい環境を与えられてしまい、善いものに出会えない場合はなんでも否定的にしてしまうことがあります。

人生は巡りあわせではありますが、どのような道を生きてどのような人生を送るかは生れ落ちたところで決まります。与えられた場所に感謝して、その場所をもっと善くしていこうとする努力こそが人生の醍醐味であり、そこに不平不満を言って腐っていても何も変わることはありません。

自分自身を変えるということは、今の自分を創り続けるという努力が必要になります。それは日々に感動や感謝、そして感激をする心、感性を磨き、心を瑞々しくし続ける努力とも言えます。心が閉ざされて感情も冷めてしまえば、与えられた環境を活かすことができなくなります。また同時に環境を感じる力がなくなり、環境に流されてしまうようになります。

人間は環境を創造していくことができる生き物ですから、与えられた環境下の中で如何に五感を研ぎ澄まして自分自身を毀していくかは人生の命題であり、それぞれの大きないのちのテーマです。

人生は死ぬまで自分自身を創造していく創作活動です。

子どもたちにもその後ろ姿から何かを感じ取ってもらえるように精進していきたいと思います。