EQとSQ~非認知スキルの意味~

現在、世界では教育改革が進められ今まで認知スキルが優先されていたものから非認知スキルが重要になってくるとし各国の教育現場ではアクティブラーニングをはじめ様々な取り組みがはじまっています。

このEQとは、Emotional QuotientまたはEmotional Intelligence Quotientの略のことで「感情知能指数」とされ「自分自身と他の人達との感情を理解し、自らもモチベートし、自らの感情と他の人達との諸関係を効果的にマネジメントする能力」というように定義されています。

このEQ能力の概念の創始者であるピーター・サロベイ教授は、EQ能力を「人生をより良く生きるために必要な能力」としています。さらにそれを発展し、SQ能力というものが言われ始めました。

このSQとは、Social Intelligence and the Biology Quotientの略で、「社会性の知能指数」とされ、「職場内の意欲や他者の能力を引き出すもので、対人関係や社会性に関わる神経回路と内分泌系に支えられている」としています。さらにSQは、Spiritual Intelligence Quotientの略で魂の知能指数ともいわれることもあります。心や魂を成熟していく力とも読み取ることもできます。

簡単に言えば、学んだことを活かす力とそれを周囲の人々と協力して社會を思いやり持続可能にしていく力とも言えます。人類は今、岐路に立っていることもここからわかります。

かつてはIQ能力といってIntelligence Quotientの略ですがこのIQが高ければ高偏差値につながり、ひいては高学歴につながり、高学歴が高収入につながるという時代もありました。いい学校に入りさえすれば将来が約束されているという時代の学校の在り方と、今のように社會を形成する実力が必要になった時代の学校の在り方ではその場や環境、そのほかの存在意義が全く異なってきます。

なぜいまこのEQやSQが必要になったか、それは個人主義が蔓延しそれぞれが好き勝手に生きていけば社會が壊れていきます。社會があっての時分ですから如何に善い社會、好循環の社會を築きあげていく人物、もしくは会社が社會に必要不可欠になってきたことを証明しています。

日本ではかつては地域社會がちゃんと機能しており、子どもたちは地域が見守り育てていく場がありました。誰もが他人事ではなく、子どもは地域みんなの子どもだとしそれぞれに思いやり注意し、関心と愛情をもって育ててきました。その中で子どもたちは自然にEQやSQも高まっていったともいえます。

しかしその地域が消失したことにより、その能力が急激に失われそれを学校で担おうとなったのです。これは産業界や企業界からの要請であるのはOECDの調査や方針からもわかります。

企業においても今は、協働することや他を思いやり共感することなどが失われ働き方改革などと言われ取り組まれていますが、本来の地域社會の甦生のような抜本的な改革はあまりなされておりません。

私たちの実践する一円対話はそれを解決するものであり、子どもたちにEQやSQを身に着けていくための場や環境を醸成するものです。時代が変わり、暮らしも失われ、当たり前にあった力も失われていきます。何を変えて何を変えてはならないか、温故知新しながら私たちの役割を果たしていきたいと思います。