私たちは可能性というものを思うとき、できることやできないことから考えていきます。例えば、あれもできるこれもできるとやってもいないものでもある程度は今の自分の能力や状況から判断していく可能性というものがあります。同時に、今の自分にはできないという現実を受け容れるとき、今までにはなかった選択肢が新しい可能性として出てくるものです。
つまりは、できようができまいがそれがすべて可能性としてあらゆる選択肢を考えることができる。人間に可能性がなくなるときは、自分が先に可能性を見失うほどマイナス思考に陥っているだけで決して選択肢がなくなったことではないのです。つまりは人間はどんな状況においても可能性はなくならないということになります。
ではこのように可能性を持ち続けるためにどうすればいいか、そこには心も持ち方や発想の転換の訓練が必要であるように思います。何か行き詰ったとき、「だったらこうしてみよう」や「逆転の発想だとどうなるか」など、人間塞翁が馬であるとしたり、禍転じて福にするというように心の持ち方を鍛えていくのです。
発明という言葉があります。
これは「今までなかったものを新たに考え出すこと。」と辞書にはあります。つまりは心の持ち方を健全に鍛えて逞しくしていれば常に逆境や苦難は発明の糧になります。
この糧とは、これは本当は何の意味があるのかと深く自問したり、天からの何かしらの手紙ではないかと受け止めたり、ひょっとしたら自分は何か大切なことを見落としているのではないかと見直したりというアイデアの原点に出会うのです。
人は何もなければ今までやってきたことのままでいいや、延長線上に物事があると思い込んだり、階段のように上がっていけばたどり着くと思ったりします。しかし実際は、変化とはブラッシュアップのように温故知新し続け「今までになかった新しい自分になる」ことが求められます。
新しい自分とは、今までではなかった自分ということ。それは発想が変わることであり、今までの価値観ががらりと入れ替わることです。変化は常に自分の心の側で行われ、可能性もまた自分の心の側で変わります。人は日々に自分自身の新しい可能性に挑戦するなかで得られるその発明の糧の御蔭で自分自身の可能性を引き出し広げていきます。
難しい相手や困難であればあるほど、新しい発明と新しい自分を発掘していけるのです。引き続き、困難や苦難の意味を味わいながら新しい発明を楽しみたいと思います