壁の定義

人は挑戦すれば何度でも壁にぶちあたります。壁があるから生き方が決めり、壁によって自分を磨き鍛えてもらうことができます。しかしその壁といっても壁にはその人の生き方が関係しますから壁という同じ言葉を使っても壁の定義が異なるのです。

例えば最初から諦めて何もしようとせずにいればそれが自分の限界として壁ができます。その壁はやろうともしないことで、どんなに小さなものでもできなくなってきます。またできることだけをやっていて新しいことに挑戦しなければその壁はいつまでも乗り越えられない壁として自分に立ちはだかってきます。失敗を恐れ、評価を気にしては、最初から挑戦すること自体を諦めればその壁は停滞の壁になります。

しかし挑戦する壁は、先ほどの停滞の壁とは異なります。メジャーリーグで現役で挑戦を続けるイチロー選手はこのような言葉を語っています。

「壁というのは、できる人にしかやってこない。越えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁があるときはチャンスだと思っている」

ここでは壁という認識が諦めからきている壁ではなく、壁は乗り越えられるからあると挑戦を諦めないことから実感しているチャンスという表現を使います。つまりは、前提として挑戦しようとして感じている壁は必ず乗り越えられる壁であるという自覚があるということです。

事物に受け身になっている人は、先ほどの停滞の壁に苦しみます。しかし主体的に事物に挑戦する人は挑戦の壁に苦労します。どちらがいいとは言いませんが、明らかに壁を善いものとして捉えているか、壁を消極的に捉えているか、そこに生き方の差が出るのです。

この生き方の差というものが、どのような壁をつくっているか。一度、立ち止まって見て壁という言葉の定義が自分がどのように捉えているかで自覚を持つことが大切なことのように思います。できることしかしないという言葉も、前提に挑戦しようと取り組めば壁はその人を磨いてくれる重要な砥石になります。

壁を乗り越えるために、できることをやるのは挑戦を続けるということです。引き続き、壁を味わい壁を楽しみながら、その壁の向こうがどうなっているのか好奇心にワクワクドキドキしながら子ども心でピンチをチャンスに換えていきたいと思います。