弱さを受け止めず弱さを否定している人は、見栄をはるものです。弱さを隠そうとばかりするから余計に自分から弱さをさらけ出すことができません。弱さをさらけ出さないという心理は、周りに弱いと思われないように自分でひた隠そうとしていることでその行動が翻って見栄をはることになっているともいえます。
この見栄をはるとはうわべを飾ったり外観を取り繕うことをいいます。つまりは弱いと思われないように強く見せようとしたり、本当は弱いことを隠して上手く誤魔化そうとする心理です。弱いことをいつまでも受け止めることがなければ、自分を守るために常にその人は責任転嫁ばかりを繰り返してしまいます。つまりは自分から素直になることを否定した生き方を続けていくことになります。
素直ではない人の特徴は、自分のありのままの姿をいつまでも認めようとしないということです。今の自分が弱いと受け止めることができれば、何が弱いのかを直視し、それを具体的に改善していこうと思えるものです。しかし弱さは絶対に受け入れられないと弱さを全否定したのなら、いつまでも改善される日は来ることもなく、いつまでもその人は弱さを認めない代償として見栄を張り続け歪んだ行動ばかりをしては周りに多大な迷惑をかけてしまう人になってしまい悪循環に陥ります。
自分くらい弱さを隠しても決してバレないだろうと思っていても、実際はその姿はみんなにバレているものです。その証拠に自分に嘘や言い訳ばかりを続けていくうちに孤立したり、信頼関係が築けなかったり、行き詰ったりが増えるからです。
見栄を張るのをやめて素直になることは、言い訳をせずに嘘をつくのも誤魔化すのも已める習慣をつけるしかありません。
「はい」と素直に弱さを認める行動、「ごめんなさい」と素直に間違いを認める行動、「教えてください」と素直に改善に移す行動、これらのシンプルなことからでもすぐに実践していくことだと私は思います。
自分から素直になることは、嘘も言い訳もない正直に生きていく成長の原動力や根の働きをもっと使っていくということです。見栄を張ることで自分自身を失い自分が分からなくなって苦しんでいる人がたくさんいます。生き方の改善は人生の改善ですから、自分がどう生きていきたいかと自分自身と向き合い「見栄を張るのをやめる」と決心するしかありません。
素直さは頭で理解して素直になれるものではありませんから、素直な行動から変えていくことで素直が身に着いてくるようにも思います。素直の百段を目指した松下幸之助氏のように、日々の小さな正直を積み上げていけるような精進をしていきたいと思います。