現実を直視する~正直な生き方~

現在、世界のことを改めて再認識して掘り下げつつ日本というものを如何に発信するかということを保育を通して考えていますがその大前提には現実を直視するということから始める必要があります。

この現実を直視するというのは、余計なバイアスをかけずにありのままにあるがままに物を視るということです。これは世界に限らず、自分自身のことも直視すれば現実が正しく理解できるものも、直視したくないから現実を歪めて勝手な期待的観測や希望的評価などを入れ込み現実を自分の都合のよいようにゆがめてしまいます。

先日、ある人に日本は今、中国の台頭やアジアの興隆からみて世界では欧州の英国のように高齢化でインフラも古びれ、これから衰退していく国家として見られているという話をすると烈火の如く否定する人がいました。

しかし現実には、技術大国で豊富な資金をもって経済大国になってからのち、今では近隣の国々の技術が日本を凌駕し、さらには中国などはアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国へと発展していきました。世界の中で日本がどのようになっているか、そしてこれからどのようなことが予想されるか、現実を直視して私たちは近未来に対して行動を起こしていく必要があります。今更かつてのように世界1位に回帰しようとしても、そういう状況などはないことは客観的にみてもすぐにわかることです。

この現実を直視というのは、本当のことを知る心のことです。こんなはずではないという執着や、もっとこうあるべきや、本当はこうなんだなど自分の願望や期待で物事を無理に歪めないためには受け容れる力が必要になります。今の自分の身の丈を知り、今の自分がどの程度のものかを受け容れることではじめて現実というものを理解できます。

その現実を理解すればこんどは、どのようにしてその現実に手を打っていけばいいかといった本物の戦略が出てきます。そして戦術を立てて手を打てば、現実的な結果が訪れます。なぜ現実が思うようにならずにいつまでも滑っていくままなのかは、現実を直視しないところにこそ原因があるのです。

そうであってほしくないという感情を乗り越えて、現実としてそうかもしれないと受け容れる方が真実の対応ができるものです。油断も少なくなり、己自身との闘いにも負けなくなります。現実を受け容れる力を持つことこそ本当の実力であろうと私は思います。

しかしその現実を正しく受け止めて、受け容れることができるのならそこから本物の変化がはじまります。肥大化された願望や期待的観測を破り、現実を直視した間違いのない努力や手を打っていけるのです。現実から逃げたくなるのは人間の性で早く楽になりたくなったり思い通りにしたいと思うのでしょうが、そのためにもまずは現実から伝えるという正直な生き方をしていきたいものです。

引き続き子どもたちの近未来のためにも不正直に歪んだ現実を信じさせていくような刷り込みを遺すよりも、自分自身が現実を直視し、歪んだ刷り込みを取り払い現実的な戦略を実践し正直に生きていく生き方を譲り遺したいと思います。

我が道をゆくような会社ですが、世界のお手本になるような日本になれるよう現実を直視するところから取り組んでいきたいと思います。