昨日、初心を振り返る会議の中でパートナーの一人から「いい会社に入れてよかったねではなく、いい会社になってよかったねと言う人が何人いるかが大事」という話をお聴きする機会がありました。これは単なる受け身か主体かのことだけを示す言葉ではなく、自分が一緒に創り上げ真に協力しているかどうかの確認でもあります。
これを国家に置き換えてみても、「いい国に生まれてよかったねといい国になってよかったね」では意味が異なります。本来、いい国というのはどうやって出来上がるかといえばいい国にしようと思った人がどれだけの数いたかということになるのです。
自分たちが主になって活動するのなら、そこには自然に誇りや自信が生まれてきます。そして豊かで楽しく理想の実現に向かって協力し合っていくことができます。誰かが主で自分はそこに付属していればいいというものではなく、まさに自分が主になって一緒に取り組んでいくことではじめて真の協力は行われるのです。
この協力という言葉は、単に付属して手伝っていることが協力とは呼びません。まさに一心同体に一緒一体に、同じ目的に向かって同じ意識で相談したり連携したり助け合うときに真の協力は生まれます。
真の協力関係とは自分の立場とか、自分の成果や目標を手伝ってもらうことを言うのではなく本来の目的に向かって一緒に取り組んでいく中で成果や目標を分かち合ったりお互いを必要としあったり信頼し合ったりする豊かさを味わうものです。
目標管理ばかりをやってきた人や自意識や自我、保身が強すぎる人は、協力の意味をはき違えてしまいます。それは自分にとっての協力であって、真の協力ではないのです。先ほどのいい会社やいい国になってよかったねと「分かち合う境地」こそ、真の協力の後に出てくる言葉だとも私は思います。
そういう仲間こそ利害関係がある間柄ではなく、人生を分かち合う真の仲間になります。
そのためには素直な心でもっと自分をさらけ出し、一緒に取り組むこと自体を楽しむように人との信頼関係を築いていく必要があります。目的に向かう全てを分かち合うこと味わう仕合せこそ、働く歓びです。
働く歓びを感じて子どもたちが未来に希望が持てるように、ドライな関係やギスギスした関係を捨て去って表面上のつながりや形上の協力風な取り組みを取り払い、真の協力を創造していきたいと思います。