組織にはいろいろな形があるものです。例えば、ピラミッド型であったりフラット型であったりします。そのどれもに関係するのが「責任」というものです。
一般的にはほとんどの会社はまだピラミッド型の体制をとっています。これは責任がピラミッドの上にいけばいくほど重たくなりトップにすべてが集約されます。それぞれの部署に責任者が設けられ、その部署の責任を負います。部下は上司の指示や命令に従ってその責任の一部を担います。どうしても指示命令型になり、言われたことしかしなかったり、言われていないことはやらないといった性質から同じことを一斉にやったり、機械的に単一なことを繰り返しやっていくような時には向いているように思います。
またフラット型はまだ少ないかもしれませんがシリコンバレーなど、IT企業では増えています。これはそこで働いている個々が自己責任で能力を発揮してそれぞれのプロジェクトを周囲の能力を集約しながら実現させていくという体制です。このフラット型では個々に責任が重たくなる性質があります。指示命令などがありませんから、自分から主体的に考えて周りの仲間を集め能力を発揮してもらい協力してもらいます。変化の激しい市場や多様化したニーズに対応するような時には向いています。
組織のポイントは、責任のカタチです。それぞれがどのように責任を持つのか、どこまで持つのか、与えられる責任か、自ら持つ責任か、など責任について考える必要があるのです。
本来、組織において重要なのはそれぞれが自分が全体に対してどう責任を持っているかということの自覚です。無責任な人は思いやりが欠けていきますから、どうしても組織の中で周囲と協力して楽しく働くことができなくなります。責任があるからこそ、自分から思いやりのある態度で周囲と協力して問題を一緒に解決していくようになります。
一流のビジネスマンや社会人は、思いやりを欠かしません。
私はこれからの組織は、ピラミッドでもなくフラットでもなくサークルになった和の組織の時代になるように思っています。そこは道徳的な組織であり、みんなが全体善のために誠を盡すといった和の精神で働く組織です。
責任は、全体の責任をそれぞれがみんなで一緒に担うという考え方です。
これは社會教育の一つとも言えます。いつも自分の行動や感情、生き方が誰かに影響を与えていることを自覚し、初心を忘れずにみんなの仕合せのために最善を盡していくという責任の持ち方ができる組織です。
誰かに与えられる責任というものは、思いやりが発動しにくいものです。そして指示を待って指示だけをやったり、単に手伝っているだけで一緒にやっていないのではやはり思いやりを発揮しているとは言えません。
「一緒にやる」というのは、全体善のために自分の思いやりを使っていくということなのです。誰か任せの無責任な仕事や、自分のことだけやっていればいいという無責任な態度、こういうものが責任の本質をゆがめていきます。
責任とは本当は思いやりのことだと自覚することで、和の一円組織は醸成されます。子どもたちの憧れる社會の実現のために、自由と自立の自己改革を楽しんでいきたいと思います。