天神信仰

福岡県は天神信仰の数が700近くあるといわれます。これは全国都道府県ではもっとも多い数となっています。太宰府天満宮をはじめ、私の郷里にもあちこちに天満宮や天神様が祀られています。

また博多の天神という有名な地域も元は、水鏡天満宮のある一帯を天神と呼ぶようになったことが由来です。それだけ福岡県は天神様との所縁が深いのは、菅原道真公を慕いたくさんの人たちがこの地に訪れたからではないかと私は思います。

また老松と名の付くものもまた天神信仰であり由来は、菅原道真公の御詠歌の中に、「梅は飛び、松は追い(老)・・」という一説があり、そこから老松という名がついたといわれます。

これは「東風吹かば、匂いおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」菅原道真が大宰府に左遷された時、家を出るときに詠んだ歌です。その梅は道真を慕い一夜のうちに大宰府まで飛んで行ったそうです。それが「飛梅」の謂れとなります。そして「梅は飛んで桜は枯れたのに松と言う奴は・・・」と皮肉られ松は梅の跡を追って大宰府に飛んだのです。だから「追い松(老松)」となったとあります。

ひょっとしたら、太宰府に左遷されたとき多くの人たちが道真公を追いかけ遅れて追いかけてきた人たちもいたのかもしれません。私の遠い先祖もまた、道真公を慕い続けてこの嘉麻という地に関東から移動してきたといいます。

人徳のある人は、どんな境遇になったとしても天は見捨てないのかもしれません。この福岡にいること、そして天神祭を実施できることに有難い気持ちになります。

自らの生き方から本当の学問は何のためにするのか、そしてどんな境遇においても何を大切に生きるのかをその生き様から私たちに今でも語り掛けてきます。

天神様に恥じないように、学問を深め、子どもたちの仕合せに祈り続けたいと思います。