成長し合う組織

道具にはそれぞれに一長一短があるように、人間にもそれぞれに一長一短というものがあります。他にも一利一害、 一失一得、一得一失のように、完ぺきなものなどは存在しないということです。

如何にいいところを伸ばし、わるいところをカバーしていくか。そのためには、それぞれにその状態を維持していくために分を弁える謙虚さが必要であるように思います。自分の能力に過信しては、他を裁くような価値観をもっていたら自分ばかりが完璧だと信じ込んでしまい、何でも自分がやった方がいいような感覚になってしまいます。それが過信を生み傲慢さを発展させギスギスした関係を増長させていきます。

日本人は特に学校などで真面目で我慢して一生懸命にやることを美徳として教え込まれてきていますから、何でも無理してでも自分でやることを優先しがちです。そのうち仕事がパンクして自分がダウンしてもそれでも無理して頑張ればという思考に陥ることもあります。そこから一人では限界があることを学び、信頼や協力の大切さを知ります。

自分の得意なところを他の人に任せれば、その人はその得意なところをその人から学べるメリットが出てきます。また自分にしかできないことは周りの人たちのカバーができます。みんなで取り組むということは、自分の得意なことを周りの人に享受し自分の苦手なところは周りに得意な人を見つける手立てにもなるのです。

ひとりで完璧な能力を持つことを目指せば、できる人になれて評価されますができない人の気持ちがわからなくなっていきます。本来はできない頃の気持ちを忘れてはいけないはずなのに、できる仕事しかしなければできないことなどは思い出すこともありません。

それが成長の限界をつくり、自分の立場や能力に固執しているうちにチームワークや時代の変化についていけなくなっていくのかもしれません。自分にできるようになって得意になったのならすぐに他の人に仕事を任せてできるようにしていくことをみんなでやっていたら、全員がみんなである一定のクオリティの仕事ができるようになります。

協力して働くというのは、みんなができるようになるということです。そしてみんなができるようになるというのは、得意なところがさらに引き出されチームとしての最高パフォーマンスが上がるということです。

成長し合う組織、成長し合う関係が続くというのは仕合せな関係です。

引き続き、子どもたちに譲り遺したい関係を創造するために挑戦を続けていきたいと思います。