言葉の魂

先日、永六輔さんの著書で劇作家、放送作家の井上ひさしさんの言葉を知りました。文章を書くことが多い私は、如何に言葉を磨くかというのは日々の課題です。永六輔さんや井上ひさしさんの使う言葉はとても平易ですが面白く豊かです。

「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く。」

とお二人は常に意識されていたようです。この深いことを面白くという言葉は、何よりも感銘を受けました。そもそも面白いから深いのであり、深いものはみんな面白いのです。私も日々に道を深めていく中で、専門家でもなくプロでもアマでもない奇妙なところに常に自分を陣取っていますがそこから編み出される不思議な深淵からの発見はユニークなものばかりです。

面白くしていこうとするから深くなるのであり、単に掘り下げていくことが目的ではなく何でも楽しんでやっているから面白いと思っているのです。日々に好奇心は働き、前日の出来事をわくわくと振り返り、今日の出来事をどきどきと希望を持ち歩んでいく。この日々こそが言葉をより豊かに磨いていくように思います。

井上ひさしさんはこうも言います。

「一番大事なことは、自分にしか書けないことを、誰にでもわかる文章で書くということ。」

これは人生で言えば、自分にしかできないことを誰にでもわかることで実現していくということとも言えます。まさに唯我独尊、わが道を究めよという言葉にも聴こえてきます。まさに生き方の話です。

私もまだまだ未熟で言葉が下手でいつまでたっても上手になりません。もっと自分にしか書けない文章にしてそれが誰にでもわかるようにしていくには修練を積んでいく必要があります。

先人や先輩の生き方から学び直しつつ、いつの日か自分にしかない言葉を発して世の中に言葉の魂を伝道できるよう精進していこうと思います。